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ヤモリの撃退方法とは? お客様から寄せられたご質問

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こんにちは「鳥獣被害対策ドットコム」の津田です。

今日の鳥獣害対策の知恵袋は、先日、当サイトに寄せられたお客様からの質問とその答えを紹介します。

ヤモリに関するお悩み

先週、あるお客様から、
「ヤモリが家で繁殖して大変困っている。
窓際には糞が多いし、部屋の至るところで見るし、時々天井から落ちてくる。
ホームセンターや薬局に聞いても良い回答がもらえなかった。
何か良い撃退方法があったら教えてほしい」
というご質問を頂きました。

今まで鳥獣被害の対策商品やそのご相談を受けてきましたが、ヤモリの撃退方法についてのご相談は初めてです。

確かに、天井からヤモリが落ちてくるのはちょっと嫌ですよね。

当社は、鳥獣被害対策関連のほかに、動物や植物を対象に、その地域にどんな種類の動植物が生息しているのかを調べています。

当然、野外でヤモリの姿や糞を探すことは、よくあります。

しかし、ヤモリの撃退方法、家屋への侵入防止というのは・・・考えたことがありませんでした。

まずはヤモリの生態を知る

そこで、まずはヤモリの生態について考えてみました。

ヤモリは、

  • 本州(秋田県以南)
  • 四国
  • 九州
  • 対馬

に分布します。

主に民家等の建物や、住宅地周辺の公園や神社等に、基本的に単独で生息します。

夜光性で、照明に集まる昆虫等をエサとします。

漢字で「家守」とも書かれるように、家の昆虫を食べてくれるので、益虫(人間に何らかの利益をもたらす虫)とも考えられています。

昼間の隠れ場所は、他の爬虫類と同様、暑すぎず、寒すぎず、暗くて静かな場所です。

家で見ることが多い生きものですが、実は人家に近い屋外にも生息していて、

  • 樹皮の裏
  • 樹木プレートの裏
  • 神社の灯篭の隙間
  • トイレの天井の隙間
  • 橋の欄干の隙間
  • 花壇の下

など、さまざまな場所で見られます。

反面、奥山など自然が多い場所、人家などから離れた場所には見られません。

樹皮の隙間に隠れていたヤモリ
画像:樹皮の隙間に隠れていたヤモリ

ヤモリの生態からヒントを得た商品の研究開発

ちなみにヤモリの足指の裏には細かな毛が1平方メートル当たり10万~100万本の密度で密生しており、さらに先端が100~1000本程度に分岐した構造を持つことが分かっています。

先端の分岐した毛の密度は、1平方メートル当たり10億本以上!!!と言われています。

だから、ガラスの窓でも天井でも、落ちずに歩けるのだそうです。

これをまねて、接着力にすぐれ、しかもめくれば簡単にはがれるとっても便利なテープが研究・開発されているところです。

ヤモリの足指の裏
画像:ヤモリの足指の裏

ヤモリの撃退方法

単独で行動し、壁でも天井でも歩けてしまうヤモリ。

私たちの考えた撃退方法は・・・

  • 部屋に侵入する穴をふさぐ
  • 粘着シートで捕獲する

というものです。

昼は、暗い静かな場所に潜んでいて、夜にその隙間から出てくるはずですから必ず部屋への侵入口はあるはずです。

体が平べったいため、1cmの隙間があれば入れてしまうでしょうから、そのような小さな隙間もふさぐ必要があります。

またよく出没する場所に粘着シートを設置し、捕獲します。

これでけっこう捕獲できるという、当社の社員による体験談があります。

まとめ ヤモリ対策も基本はその他獣害対策と同じ

ヤモリは単独で行動するため、残念ながら一網打尽にできる効率的な方法はないと考えます。

いろいろと考えましたがご相談いただいたお客様には結局のところ、ハクビシンやアライグマが住居に侵入した時の対策と同じく、まずは侵入口をふさぐとともに、頻繁に出ている場所で捕獲するという方法をご紹介しました。

動物の種類が変わっても、基本的にはやることは同じと考えます。

まずは侵入経路を見つけてふさぐ、そして捕獲する。

今回ご相談いただいたお客様のように天井から落ちてくるほどヤモリが多いというのは困ってしまいますが、ヤモリは基本的には家の昆虫を食べてくれる人には無害な生きものです。

被害が少なくなったら、うまく共生していければいいですね。

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この記事を書いた人

津田 朋香

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