野生動物の専門家による鳥獣害対策のためのブログ。野生動物の生態、観察、忌避、捕獲まで、被害を防ぐために役立つ情報を発信しています。

ご相談・お問い合わせ

鳩被害&鳩対策vol.2 ~鳩の特徴と生態~

記事のタイトルとURLをコピーする

こんにちは「鳥獣被害対策.com」の津田です。

今日の鳥獣害対策の知恵袋は、鳩の特徴と生態について紹介します。

前号「鳩被害&鳩対策 vol.1 ~人と鳩の共通感染症~」でもお伝えしたとおり、鳩の糞は人と共通の感染症を保有する可能性があり、鳩の糞害は汚いだけでは済まされない問題をはらんでいます。

鳩対策を行うためには、まず鳩の特徴や生態 (生物が自然環境のもとで生活しているありさま)を知ることが大切です。

敵を倒すには、まず敵を知る必要があります。

一言に鳩といっても、世界には約300種類の鳩がいると言われています。

日本には、そのうちの6種類がいます。

このうち、身近な鳩は、「キジバト」「ドバト」で、これら2種が農作物被害や生活被害を引き起こしています。

キジバト
キジバトアップ01

ドバト
ドバトアップ01

「キジバト」は全国に分布します。

雄のさえずり声はかなり特徴的で、 「デデッポッポー」鳴きます。

「山鳩」の別名があり、本来は林に生息する野生の鳥です。

昔は山の鳥でしたが、1960年代末から都会に進出してきていて、都会でも身近に見られるようになりました。

「ドバト」は、元来、伝書鳩などで飼われていた飼い鳩が野生化したもので、野生の鳥ではありません。

ドバトの野生種は、アフリカ北部、中近東、中央アジア、中国西部中央アジアなどに分布する「カワラバト」という鳩です。

ドバトは海外由来の外来種ということになります。

公園や駅に群れている鳩は、たいがいこの鳩です。

ドバトは、外来種ハンドブックという本の中で、生態系や人間活動への影響が特に大きい「日本の侵略的外来種ワースト100」に選ばれています。

【今回は、都会で最も身近な鳥、ドバトの特徴・生態について 紹介します】

◆ねぐら・巣・繁殖

ドバトの野生種である「カワラバト」は、岩壁などに営巣する習性をもっています。

ドバトもその習性を引き継いでいて、岩壁に似た環境であるコンクリートの建物や橋げた、高速道路などを、 ねぐらや営巣場所として利用しています。

繁殖力が旺盛で、十分な餌があれば、年に8回!

各2個の卵を産むとも言われています。

関東地方より西の暖かい地方であれば、1年中繁殖することができます。

これは、ハト類が、首にある「そのう」からピジョンミルクと呼ばれる分泌物を出してヒナを育てるため、冬の餌が不足する時期であっても1年中子育てができるからです。

◆天敵

ドバトの天敵は、オオタカやハヤブサといった鳥類を好んで食べる猛禽類や、カラス、ネコです。

都会では、猛禽類はほとんどいないですから、カラス、ネコがドバトの天敵といえます。

◆食べ物

「ドバト」、「キジバト」を含むハト類は、一年中、主として植物質(植物の種子など)の餌をとり、動物質の餌の割合はほんのわずかです。

農地では、特にダイズ等を好み、マメ類の出芽直後に最初に出てくる子葉を好んで食べます。

農地での被害額は、ダイズが最も大きく、ダイズのほかコムギやオオムギの落ち穂を食べたりします。

いっぽう都会では、人が与えたり、落としたりする食べ物が、ドバトの主要な餌となっています。

◆強い帰巣性と執着性

伝書鳩に知られるように、ドバトは強い帰巣性をもっています。

どれだけ強い帰巣性を持っているかというと、6羽のドバトを、巣のある場所から約16km離れた場所で放鳥したところ、短い時間で全ての個体がもとの場所へ帰ってきたという実験があります。

また、ドバトは、一度、巣やねぐらの場所として決めてしまうと何が何でもその場所に戻ろうとする強い執着性をもっています。

ですから、ドバトを来させないためには、最初の段階で、ドバトの飛来を防ぐことが最も重要な事項となります。

ここまで、ドバトの特徴や生態について紹介しました。

より詳しく知りたい方は、こちらをご覧になってみてください。
http://www.yamashina.or.jp/hp/kenkyu_chosa/dobato/menu.html

次回は、鳩の対策について、実際にどういったことを講ずれば良いか、どういったことが効果的かを紹介したいと思います。

  • この記事を今すぐシェアする
  • facebookアイコン
  • Xアイコン

この記事を書いた人

津田 朋香

関連記事

鳥獣被害対策 お役立ち情報

被害を防ぐために知っておきたい情報を公開中!

▼イノシシ被害でお悩みの方はこちら

トップへ戻る

先頭へ