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外来種対策の最前線/沖縄本土のマングース

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こんにちは、「鳥獣被害対策.com」の井上です。

突然ですが、この足跡、何の生きものか分かりますか?

サイズは、3㎝程度です。

実はこれ、外来種であるフイリマングースの足跡です。

確認した場所は、那覇空港(沖縄県)の北側に流れ込む国場川の左岸側に広がる漫湖干潟です。

樹林化が進んだため、一部のマングローブ林を伐採し、干潟を復元しているのだそうです。

よくみると、あちらこちらでマングース(外来種)の足跡を見つけることができました。

沖縄のマングースは、ネズミやハブの駆除を目的として1910年に導入、沖縄島南部から分布域を北部に拡大させ、1990年代には島北部のやんばる地域にまで広がっているといいます。

このような状況に対して、環境省と沖縄県によって、ヤンバルクイナが生息している沖縄本島北部から、駆除作業が実施されています。

具体的な駆除は、生け捕り用の踏み板式箱罠や、捕殺式の筒罠を活用しているとのこと。

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駆除作業の効果もあり、現在、マングースの生息数・分布域が減少する一方、ヤンバルクイナの分布域、生息数の回復が見られているそうです。

なお、環境省は、沖縄島北部地域の広大な森林から外来種のマングースを根絶することは、きわめて難しい課題であるとしています。

そのため、今後は捕獲作業を継続するとともに、低密度となったマングースをより効果的に駆除する技術を開発し、導入すること、そして、探索犬やセンサーカメラなどによるマングースの生息状況モニタリングを充実化させることなどにより、2022年度までの根絶を目指しています。

沖縄本島北におけるマングース駆除の状況(H23)
参考:環境省報道発表資料
http://kyushu.env.go.jp/naha/pre_2012/0702b.html

奄美大島のマングースは、ピーク時に1万頭を超えるとされていましたが、組織的な駆除活動の結果、現在では100頭を下回ると推察されています。

沖縄本島も、なんとかして、健全な生態系を維持していきたいですね。

おまけに、フイリマングースの足跡を見つけた干潟で出会った生きものたちの写真を掲載します。

これらの生きものは、漫湖水鳥・湿地センターの脇から延びる、木道の上から観察した生きものたちです。

干潟の穴から顔を出しているのは“ミナミトビハゼ”です。

なんとも、チャーミングなお顔です。

ちなみに、このあたりには、ミナミトビハゼのほか、トビハゼも生息しているようですが、ミナミトビハゼはマングローブ林内から林縁にいることが多く、トビハゼは干潟の沖合にいることが多いようです。

水辺で餌を狙っているのは、“ヘラサギ”です。

しゃもじのようなくちばしが特徴です。

獲物を探すときは、干潟に嘴をブスっと差し込んで、それを左右に振りながら探していました。

ダイナミックです!

(私が)初めて見るマングローブ林は、潮の満ち引きを忘れるほど、面白い景色を見せてくれました。

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この記事を書いた人

井上 剛

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