カラス
日本には、数種のカラスが生息していますが、ここでは農耕地や市街地の害鳥として「ハシブトガラス」、「ハシボソガラス」という
2種類のカラスの生態を紹介します。
ハシブトガラス Corvus macrorhynchos(スズメ目カラス科)
形 態 |
全身が光沢のある黒色で、雌雄同色である。ハシボソガラスに比べて嘴が太く、 額が盛り上がる。 |
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声 |
澄んだカァーカァーという声で鳴くほかに、アーアーアーアーという高低を変えた声、 アハハハという笑うような声、争う時にはガラララという濁った声を出す。 |
分 布 | 全国に留鳥として生息する。 |
生息環境 |
市街地をはじめ、森林や海岸、河口付近などにも生息する。夏季には高山で見られる。もともとは森林に生息する南方系の鳥である。 繁殖期の生息地には、市街地や山地、海岸を好む。 |
食性 |
雑食性である。 漁港や魚市場で魚の死体を、ゴミ集積場で生ゴミ等を、家畜飼育場で試料等を餌とする。また、自然界では、鳥の卵や雛も食べる。 |
繁殖 | 繁殖期である3~6月に、高木や送電線の鉄塔などの高所に巣を作り、青緑色地に褐色斑のある卵を3~5個産む。抱卵は雌により20日間、育雛期間は30~35日で、雌雄で行う。特に子育ての後半から巣立ちの季節である5月下旬~6月上旬頃は、巣や卵や雛、幼鳥を防衛するために親鳥は攻撃的になる。 |
社会性 | 秋から冬には、数百~数千羽もの大群で、集団ねぐらに集まって夜をすごす習性がある。 |
参考文献
- (財)日本野鳥の会(1982)フィールドガイド日本の野鳥.(財)日本野鳥の会.
- 日高敏隆(1997)日本動物大百科第4巻鳥類Ⅱ.株式会社平凡社.
- 藤岡正博・中村和雄(2000)鳥害の防ぎ方.(社)家の光協会
- 農業被害(イネ、ムギ類、マメ類、果樹、野菜、イモ類)
- 生活環境被害(ゴミ荒し)
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「わな」「網」により捕獲する。
※害鳥とは言え、「わな」「網」による捕獲は、鳥獣保護法、狩猟法などを遵守して適切に行う必要があります。これらの法律は、県又は各市町村が管轄していますので、被害が出て「わな」「網」で捕獲する場合は必ず自治体の担当窓口に相談しましょう。 -
追い払い法により防除する。
※追い払いには、防鳥テープや爆音器、服を着せたマネキン人形等を畑に設置するといった様々な手法が見られます。追い払い法は、鳥が嫌う刺激を与えて鳥を追い払うものですが、最大の欠点は、同じ刺激を鳥に与え続けると、鳥はその刺激に慣れてしまって、反応がだんだんと鈍くなってくることです。永久的に追い払いが可能な防除法はないとも言われていますので、刺激を与える回数や時間を変えたり、様々な手法を組み合わせたりする工夫が必要です。 - ★カラス被害に関するブログはコチラ⇒
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害鳥とは言え、「わな」「網」による捕獲は、鳥獣保護法、狩猟法などを遵守して適切に行う必要があります。
これらの法律は、県又は各市町村が管轄していますので、被害が出て「わな」「網」で防除する場合は必ず自治体の担当窓口に相談しましょう。
ハシボソガラス Corvus corone(スズメ目カラス科)
形 態 |
全身黒色でハシブトガラスによく似るが、体がやや小さく、くちばしが細く、 額が前にでっぱっていなことで区別できる。 |
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声 | ガーガーという濁った声で鳴く。また、カポン、カポンと鳴くこともある。 |
分 布 | 全国に留鳥として生息する。 |
生息環境 | 平地から低山帯にかけての農耕地、河川敷、林縁などの開けた環境に生息する。 |
食性 | 雑食性であるが、ハシブトガラスほど何でも食べない。主に草木の実や種子、昆虫類などを採食する。 |
繁殖 |
高木に営巣し、そこを中心に広いなわばりをもち、ほぼ一年中なわばりを維持する。 春季から夏季に繁殖期を迎え、1回に3~5個の卵を産む。20日程度抱卵し、 30~35日で雛が巣立つ。 |
社会性 | 繁殖期以外は、昼間は単独またはつがいで行動し、夜は集団ねぐらに移動することが多い。 |
参考文献
- (財)日本野鳥の会(1982)フィールドガイド日本の野鳥.(財)日本野鳥の会.
- 日高敏隆(1997)日本動物大百科第4巻鳥類Ⅱ.株式会社平凡社.
- 藤岡正博・中村和雄(2000)鳥害の防ぎ方.(社)家の光協会
- 農業被害(イネ、ムギ類、マメ類、果樹、野菜、イモ類)
- 生活環境被害(ゴミ荒し)
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「わな」「網」により捕獲する。
※害鳥とは言え、「わな」「網」による捕獲は、鳥獣保護法、狩猟法などを遵守して適切に行う必要があります。これらの法律は、県又は各市町村が管轄していますので、被害が出て「わな」「網」で捕獲する場合は必ず自治体の担当窓口に相談しましょう。 -
追い払い法により防除する。
※追い払いには、防鳥テープ、爆音器、服を着せたマネキン人形等を畑に設置するといった様々な手法が見られます。追い払い法は、鳥が嫌う刺激を与えて鳥を追い払うものですが、最大の欠点は、同じ刺激を鳥に与え続けると、鳥はその刺激に慣れてしまって、反応がだんだんと鈍くなってくることです。永久的に追い払いが可能な防除法はないとも言われていますので、刺激を与える回数や時間を変えたり、様々な手法を組み合わせたりする工夫が必要です。
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害鳥とは言え、「わな」「網」による捕獲は、鳥獣保護法、狩猟法などを遵守して適切に行う必要があります。
これらの法律は、県又は各市町村が管轄していますので、被害が出て「わな」「網」で防除する場合は必ず自治体の担当窓口に相談しましょう。