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シカ対策~忌避効果による防除と狙われないための対策

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こんにちは「鳥獣被害対策.com」の浅尾です。

前回はシカ対策のうち、①ネットやフェンスなどで覆う物理的な防除についてお話ししました。

今回はその続きとして、

②忌避効果による防除
③狙われにくくするための対策

についてお話ししたいと思います。

★前回のブログ「シカ対策の物理的防除について」はコチラ⇒
https://www.choujuhigai.com/blog02/archives/1788

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https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/deer

★シカについてくわしく知りたい方はコチラ⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/description-deer

②忌避効果による防除

様々な動物が忌避するものとして、

  • 匂い
  • 見慣れないモノ

など、警戒心を抱かせるものが挙げられます。

こういった忌避効果に訴えるものとしては、こんな対策用品があります。

シカ対策商品「爆音器とライト」
画像:シカ対策商品「爆音器とライト」

※現在は取扱いしていません。

いずれも大きな音、光などで追い払うもので、一定の効果が検証されています。

光で撃退する

光で撃退する対策用品は、以前、まだ大震災の前に、岩手県沿岸の民宿に泊まった際、夜になると山沿いの田んぼや畑のあちこちで、シカよけと思われる装置がピカピカと光っているのを見たことがあります。

夏なのに、まるでクリスマスのイルミネーションのようでしたが、シカの目にはどのように映っているんでしょうね?

匂いによって撃退

近年は、ライオン、オオカミなどの肉食動物の糞の抽出物を成分にした忌避剤なども考案されており、一定の効果が出ているそうです。

ニホンジカはライオンなど知らないはずだし、ニホンオオカミだって100年以上も前に絶滅してるというのに、不思議なものです。

本能的に警戒するんでしょうか?

シカは人間も恐れているんだから、人間のじゃダメなんだろうか?

いろいろと気になるところです。

唐辛子成分で撃退

他にも多くの動物が嫌がる唐辛子成分をベースにした対策用品もあります。

シカ対策商品「トウガラシ成分」
画像:シカ対策商品「トウガラシ成分」

※現在は取扱いしていません。

シカ用のほかにイノシシ用などもありますが、お手軽で便利そうです。

ただし、これらの忌避効果に訴える対策は、残念ながら他の多くの動物と同様、これだけで完璧に被害を防ぎきれるといった決定的なモノではありません。

最初は警戒するので効果がありますが、慣れるにつれ、徐々に効果が薄れてくることが多いようです。

したがって、ネットやフェンスによる物理的な防除に加えて、プラスアルファの対策として実施するのが無難です。

例えばネットの継ぎ目などの、侵入を許す可能性のある部分とか、ここだけは絶対に狙われたくないといった場所に、駄目押しの意味で設置するといった方法、あるいは設置場所を頻繁に代えて、慣れる隙を与えないといったことが考えられます。

③狙われにくくするための対策

シカに狙われにくくする方法とは。。。

これはなかなか難しいです。

イノシシなどは、薮を刈り払って隠れ場所を無くすといったことが、それなりに効果があります。

しかし、シカはもともと林縁や明るい林を好み、開けた場所にも平気で出てきます。

夜間に出没したシカの様子
画像:夜間に出没したシカの様子

わかりにくい写真で恐縮ですが、これは夜間に人家の庭先に出てきたシカを撮ったものです。

シカはこんな場所にも平気で出てくるので少々厄介です。

野菜くずなどを放置しないということも、多くの動物に効果がありますが、残念ながら特定の餌に固執しないシカにはこれが決定的な効果とはなりません。

強いて挙げるなら、シカの好まない作物を栽培するといったことが挙げられます。

一般に動物に食べられにくい作物としては、

  • トウガラシ
  • シソ
  • ショウガ

などの刺激臭のある作物や匂いの強い作物が挙げられます。

これらは動物の種類によって異なり、シカの場合は、

  • エゴマ
  • サトイモ
  • シソ
  • ニガウリ
  • モロヘイヤ
  • ユズ
  • キウイ

などが被害を受けにくい作物として知られています。

残念ながら稲作農家の方には使えない対策ですが、シカの被害に苦しんでいる方は、少しずつこれらの作物に転換することも検討されてはいかがでしょう?

他に、栽培する作物ではありませんが、山菜として知られるワラビもシカは苦手らしく、シカが多い地域はワラビが増えることが多いようです。

シカ対策のまとめ

結局のところ、シカに限っては、

  1. ネットやフェンスなどで覆う物理的な防除が最も効果的で
  2. 忌避効果による防除や
  3. 狙われにくくするための対策は、やや消極的であったり、効果が限定的

と言えるかもしれません。

そうすると、

4.捕獲等による個体数管理(駆除)を行い、個体数を適正に管理していく

ことが、最も望まれる対策といえるのかもしれません。

シカの個体数管理、これがまた難しいんですが・・・

これについては、またの機会にお話ししたいと思います。

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この記事を書いた人

浅尾 勝彦

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