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シカのくくり罠猟に同行! (自動撮影カメラ“Browningプラチナムシリーズ”の性能テスト)

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こんにちは「鳥獣被害対策.com」の井上です。

昨年の夏、長野県伊那市(旧・長谷村)の友人の所へ足を運んできました。

その目的は・・・有害鳥獣駆除で実施しているシカ猟のお供です!

実はこの友人、伊那市(旧・長谷村)に移り住んで、まだ数年なのですが、年間に100頭以上ものシカを獲る強者(つわもの)です。

朝6時、友人の出勤前の時間を拝借し、さっそく、足くくり罠の点検に出発です。

全日に聞いた情報では、昨日2頭、一昨日1頭のシカを捕獲したとのこと。

こんな話を聞いたら、否が応にも、私の気持ちは昂ります!

しかし・・・当日の天気は、私の気持ちとは裏腹に“しとしと”と雨が・・・なんか不安・・・。

林道に入り、車に揺られること十数分・・・

林内には、至るところに、獣道が縦横無尽に伸びていました。

(尾根から1本、獣道がしっかりと伸びています)

新しいものから古いものまで、私の友人は獣道を丁寧に点検していきます。

(足跡の残り具合もしっかりとチェック)

やはり、伊那市(旧・長谷村)はシカが多いのでしょうか?

林内を覗くと、林床植生の薄いところが多く、目立ちます。

(林床植生の薄い林内)

しかし、シカはやはり“これ”が嫌いなのですね。ヒトリシズカ(センリョウ科)は、しっかりと残っていました。

(シカの不嗜好植物とされるヒトリシズカ)

私の友人いわく、「シカが頻繁に利用する獣道は、痕跡を見ればすぐにわかる。

しかし、林内から林道に出てくるような場所で、獣道が枝分かれするようなところは、シカはイノシシとは違い、どこの道を通るかまでは絞り込みきれないのよ」といいます。

だからこそ、「“ココだ!”と決めた獣道で、枝分かれしているような場所は、わなの設置を1か所に絞らず、可能性がある場所には積極的にわなを敷設するのがシカ捕獲のコツさ」と教えてくれました。

なるほどね!

(写真の真ん中に伸びる獣道)

(斜面に残る足跡から、罠の設置位置を検討)

また、ただ単に足くくり罠を設置するのではなく、わなを踏ませる技術というのも、巧に取り込んでいました。

この写真、どこに罠が設置されているかわかりますか?

実は、ココ(下参照)に設置されているそうです。

倒木などの障害物を置き、シカが足を付く場所を制限させ、シカ(の足を)を罠に導く

こんな捕獲テクニックを聞きながら、残りの罠の設置個数は徐々に少なくなっていき、逆に私の緊張は高まっていきます。

ちなみに、友人の愛用する足くくり罠は、『笠松式くくりわな』です。

この笠松式くくり罠、落としの深さが、深すぎず、浅すぎずで、絶妙とのこと。

この“笠松式くくりわな”の写真は、考案者の方に撮影させてもらいました!

なお、笠松式くくりわなの“笠松”ですが、私はてっきり笠松さんが考案したから笠松式だと思っていました。

しかし、違ったのです!

実は、製作所の背後に聳える山、それが“笠松山”で、そこから『笠松式』と命名したそうです。

話を戻して・・・足くくり罠の点検は進み・・・

・・・私の友人は、「昨日はココで獲れたんだよね」、「あっ、ここは一昨日獲れた場所」・・・。

気付けば、仕掛けた足くくり罠の点検はすべて終わってしまいました・・・

残念・・・わな猟というのは、こんなものです・・・。

気分をとり直し、次の足くくり罠の設置予定ポイントの絞込です。

候補地を絞り込み、自動撮影カメラ(センサーカメラ)を設置します。

今回設置したのは、フロントにモニターがある“Browningスペックプラチナム(ノーグロータイプ)”と“Browningリーコンプラチナム(ローグロータイプ)”の2台です。

(こちらは“Browningリーコンプラチナム)

フロントモニターなので、撮影したい角度調整がばっちりです!

自動撮影カメラによる調査結果は・・・やはり通っていました!

これが(下)友人から送られてきた動画です。

フルHD動画が撮影できるとだけあって、日中の撮影はとてもきれいです。

ノーグロータイプのトレイルカメラで撮影した動画↓↓↓

動画:シカダッシュ
動画:2頭のシカ
動画:動きの速いテンもしっかりキャッチ

夜間もしっかり撮影のローグロータイプのトレイルカメラで撮影した動画↓↓↓

動画:ガスの中のノネコ
動画:夜間でもくっきり撮影

9時まで足くくり罠の点検を実施し、その後、私の友人は職場へ出勤して行きました。

忙しいのに、私のわがままに付き合ってくれてありがとう!

ちなみに、友人の職場は、美和湖(ダム)の畔にある「道の駅南アルプスむら長谷」にあるビジターセンターです。

長野県伊那市のPR、とても素敵な映像です。

今年度は「南アルプス里山案内人」と題した、養成講座・モニターツアー・山の日イベントが開催されるそうです。

詳しくは、以下をご確認ください!
http://satoyamaattendant.up.seesaa.net/image/E7B78FE59088E38391E383B3E38395-68d2f.pdf

・・・後日談・・・

私が帰った翌日、さっそく友人から「今日は2頭獲れたよー」というメールがありました。(くやしー!)

また、夏に行ってみたいと思います。

トレイルカメラの選び方 完全ガイド

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この記事を書いた人

井上 剛

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