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【トレイルカメラを設置する前に】おすすめの防水対策や設置・設定方法を徹底解説!

【トレイルカメラを設置する前に】おすすめの防水対策や設置・設定方法を徹底解説!

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鳥獣被害対策ドットコム」の桑田です。あなたは獣害対策、野生動物調査などさまざまなモニタリングに有効な「トレイルカメラ」をご存じでしょうか?

今回は、知っておきたい「トレイルカメラの豆知識」として、実際に現場で使われているおすすめの防水対策や設置・設定についてのポイントをご紹介します。

  • これからトレイルカメラを購入する、または使う予定の方
  • 既にトレイルカメラを使っているが、より便利に使いたい方

この記事はこのような方におすすめですので、少しでもお役に立てれば嬉しいです!!

特に、獣害対策、野生動物調査の用途で使用される方には「なるほど!」と思っていただける情報がたくさんあるかと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

ところで、あなたはトレイルカメラを使ったことがあってこのページに訪れたのでしょうか?または少し興味を持ってなんとなく調べていたのでしょうか?

トレイルカメラと言えば、

  • 熱を感知してシャッターを切る自動撮影ができ、タイムラプス撮影も可能
  • 乾電池で稼働できるので外部電源不要
  • 昼夜問わず静止画・動画の撮影可能

などなど、他のカメラにはないさまざまな特長を持っており、野生動物のモニタリングから防犯まで、あらゆる用途での需要が増えてきている今注目のカメラです。

動物の生態調査や環境調査を主な業務としている当社「(株)地域環境計画(1981年創業)」では、これまでこのトレイルカメラを全国各地の現場で活用してきました。

今でこそ「トレイルカメラ」という言葉は世間に認知されつつありますが、当初は「野生動物カメラ」とか、「自動撮影カメラ」などと呼ばれており(今でもこのように呼ばれていますが)、正直今ほど使い勝手もよくありませんでした。

そして、当時から今に至るまで、技術の進歩に合わせ機能・性能も年々アップデートされてきたトレイルカメラを、さまざまな現場で使い続けてきた当社だからこそ得られた、膨大なデータと実践で培ってきたノウハウを基に「使えるトレイルカメラ」のみを厳選して取り扱っているのが当店「鳥獣被害対策ドットコム」というわけですね。

そこで今回は、トレイルカメラの販売店であり、同時に当時からのトレイルカメラヘビーユーザーでもある私たちのノウハウを【トレイルカメラの豆知識】として、このブログで紹介したいと思います。実際の現場で活用されているノウハウが盛りだくさんですので、お役立ていただければ幸いです。

また、「トレイルカメラについてよく分からない」「トレイルカメラとは?」という方は、まずは「トレイルカメラの選び方完全ガイド」をご覧いただくのがおすすめです。

トレイルカメラの選び方完全ガイド

さらに、トレイルカメラについてのよくある質問についても「トレイルカメラ(センサーカメラ)よくある質問集」にまとめていますので、トレイルカメラについて困った時は、こちらも併せてご一読ください。

目次

1.【トレイルカメラの豆知識】~防水対策編~

具体的な防水対策のお話しをする前に、まずはトレイルカメラの防水性能事情と防水対策する前に留意しておくべき点についてご説明していきます。

1-1. トレイルカメラの防水性能は機種によってまちまち(多くは「防滴仕様」止まり?)

私がお客様窓口を担当していたころ、お客様から「トレイルカメラって防水性はどうなの?」と頻繁にお問い合わせを頂いたことを覚えています。通常、トレイルカメラは野外で使用することを前提に設計されていますので、近年ではほとんどの機種が「防滴仕様」ではありますが「完全防水」ではありません。

「防水」と一言で言ってもランクもさまざまですから、まずはこの辺りをきちんとご理解いただくことで、機種選びや防水対策の指標になるかと思います。

トレイルカメラの防水性能(IP規格)の見方

トレイルカメラの防水・防塵の性能については、「IP〇〇(※)」という規格で仕様に表記されている場合が多いです。〇〇の部分には性能に応じた数字が入り、数字が大きいほど性能が高いと言えます。

十の位は0~6までの数字が入ります。

内容は「人体・固形物体に対する保護」、つまりは防塵性能に関係しています。

一の位は0~8までの数字が入ります。

内容は「水の侵入に対する保護」、つまりは防水性能に関係しています。

最も性能が高い場合は「IP68」となり、「完全な防塵構造で、水面下での使用が可能」ということになります。

※IP(International protection)規格 IEC(国際電気標準会議)で定められている防水・防塵の規格。詳しくは「IP規格・防水保護構造及び保護等級」を参照ください。

1-2. 防水対策を講じる前に① 防水性能の高い機種を選ぶ

まず、防水対策を講じる前に、機種選定の時点でトレイルカメラそのものの防水性能を確認することが大切です。先述の通りトレイルカメラの防水性能は「IP」という規格で示されていますので、この規格を基準にして、より防水性の高い機種を選ぶことが最初のポイントになります。

トレイルカメラが故障する原因の第一位は?

当店では、「IP65(相当)」や「IP66」、最高水準である「IP68」を取得している機種の扱いもございますが、一般的なトレイルカメラはこの規格を取得していないか、あるいは取得していても「IP54」止まりの防滴仕様のものがほとんどです。

そして残念ながら、トレイルカメラの故障原因で一番多いのは浸水・水没による故障です。具体的に言うと、トレイルカメラの故障の約7割は雨の浸水による基板上の部品のサビによるものです。

さらに当店取り扱い機種も含めてほとんどの場合、浸水・水没による故障は保証対象外となるため、機種選びの際に「防水性能」の有無が重要なポイントとなるのですね。

ただし、「防水性能がない(IP規格無取得)カメラは絶対に買ってはいけないか?」というと一概にそそうとも言い切れません。使用用途や設置環境にもよりますし、防水性能の低い機種でもこれからご紹介する防水対策を講じることで十分に対策できる場合もあります。

IP規格を取得しているトレイルカメラ

なお、当店取り扱い機種の中でIP規格を持ったトレイルカメラは以下、取り扱い機種の機能比較表内、「IP規格」の項目をご覧ください。

トレイルカメラ比較表

通信機能付きトレイルカメラ比較表

※2022年8月現在、「IP68」機種については比較表に掲載していませんので、別途お問い合わせください。

水が原因となるトレイルカメラの故障を回避するために

日本の夏は雨量も多く、湿度も高いため、屋外に設置する場合はトレイルカメラの故障が心配ですよね。ですので、当店では水が原因となる故障を極力回避するために、機種選定のポイントとして防水性能を重視し、さらに防水対策も施すことを推奨しています。

では実際にどう対策すればよいのか、対策する前に留意しておくべき点と、現場でも使われている実践可能な対策方法をこれからご紹介していきますね。

1-3. 防水対策を講じる前に② トレイルカメラの特性に注意する

多くのトレイルカメラはカメラ前面に、レンズや熱を感知する赤外線を放射する窓、録音するためのマイクなどが付いており、撮影のために必要な機能が集中しています。

画像:トレイルカメラの前面と各機能について

【それぞれの機能】

  1. 赤外線LEDフラッシュ:目に見えない赤外線を照射することで、動物に気づかれずに暗視撮影する
    ※明るく発光する「白色LEDフラッシュ」など機種により異なる
  2. レンズ(手前に可動IRフィルタ):ここで撮影する
    ※昼夜でIR(赤外線)フィルタが切り替わりカラー・モノクロ撮影になる
    ※昼夜カラー撮影可能な機種もある
  3. マイク:音声を収録する
  4. PIRセンサー(パッシブ赤外線センサー):動物物体から放射される遠赤外線量の変化を検出して動体を検知する
  5. LEDインジケーター・ライトセンサー:LEDインジケーター点灯または点滅しカメラの現在の状態を示し、ライトセンサーが明暗を感知し、カラー・モノクロの撮影を切り替える(2と連動)

※配置や機能は機種により異なりますが、基本的な機能はどの機種もほとんど大差ありません。

ご覧の通り、これだけたくさんの機能がトレイルカメラの前面に集約されているということは、お分かりの通り、レンズやセンサーの前に遮蔽物があると、撮影を妨げてしまうということです。なので、防水対策をするときはトレイルカメラの前面を覆わないように注意する必要があります。

例えば透明のガラスやビニールで覆ってしまうと、赤外線センサーは熱感知できません。つまり、センサー撮影ができなくなりますので、対策をする前に、使用するトレイルカメラのどこにどのような機能があるのかを確認するようにしましょう。

※なお、これからご紹介する対策はトレイルカメラの前面にレンズなどがある一般的なモデルを対象にしています。

1-4. 防水関連のオプションを使う

ハイクカムシリーズ用「防水キャップ」

トレイルカメラの中には防水関連のオプションも発売されているものがあります。トレイルカメラを選ぶ際にはこういったオプションがあるか確認し、併せて購入して対策すると良いでしょう。

当店取り扱いのトレイルカメラの中で、防水関連のオプションのご用意があるのは、「ハイクカムシリーズ各種」「TRELシリーズ各種」です。

ハイクカムシリーズには「防水キャップ」というハイクカム専用のシリコン製防雨カバーがあります。ハイクカム用に設計されており、取付け、取外しも簡単でフィット感も抜群です。

※ただし、盗難防止用オプションの「セキュリティボックス」との併用はできませんのでご注意ください。

画像:「防水キャップ」装着時

こちらはハイクカムシリーズの各商品ページより当店からお買い求め頂けます。ページから、商品の詳細もご確認頂けます。

※商品ページよりご注文の際は「ハイク 防水キャップ付き」をお選びください。

※基本的にはカメラ本体とのセット販売となりますが、「防水キャップ」のみの購入も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

TRELシリーズ用「雨天ルーフ」

一方、TRELシリーズには「雨天ルーフ」というオプションがあり、トレイルカメラの上に屋根のように取り付けます。「雨天ルーフ」はそれ自体を設置木に取り付ける設計で、設置する高さや向きも自由に変えることができます。

また、6つのストラップホールが開いているので、木やポールの太さに合わせて調節可能です。こちらはトレイルカメラに直接取り付けるタイプではないので、セキュリティボックスを装着した状態でも使用できます。

ただし、画角調整用オプションの「ダイレクトツリーマウント」を使っていたり、三脚にカメラを取り付けていたりして、「雨天ルーフ」がカメラの真上に被さるように設置できない場合は、防水効果が見込めませんのでご注意ください。

「雨天ルーフ」はTRELシリーズに限らず、どの機種にもご利用いただけます。真ん中2つのストラップホールはベルトで固定できるように大きめの穴が開いています。

画像:(左)「雨天ルーフ」単体(右)トレイルカメラと「雨天ルーフ」を設置した様子

「雨天ルーフ」はハイクカムの「防水キャップ」同様、基本的にはTREL機種本体とのセット販売となり、TRELシリーズ機種本体とのセット販売が可能です。

オプション選択肢に「雨天ルーフ」が掲載されていないTREL機種をお求めの際は別途お問い合わせください。また「雨天ルーフ」のみでの販売も可能です。

メーカー専用のオプションは互換性が高いのでおすすめ

ということで、先述の通り、トレイルカメラの前面を覆うことができないので、上から降ってくる雨をしのぐためにカメラの上にカバーや屋根を取り付けるのは防水対策として非常に有効な手段だということがお分かりいただけましたでしょうか。

今ご紹介したのは、別売りのオプションを使用して防水対策をする場合のお話しでした。本来、トレイルカメラのメーカーが機種の仕様に合わせてそれぞれ製造販売しているオプションですから、互換性が高いのは言うまでもありません。

可能であれば使っていただくことが確実なのですが、メーカーから防水関連のオプションが出ていない、または少しでも費用を抑えたいという場合には、身近な道具を使って防水対策アイテムを自作することも可能です。

以降は実際に現場でも使われている防水対策方法をご紹介します。

1-5.防水カバーを自作する

オプションの利用と比較すると多少手間はかかりますが、プラスチック製のペットボトルやタッパーなどをくり抜き、トレイルカメラに被せることで防水カバーを自作できます 。その他にも、100円ショップで購入したプラスチックケースのカメラの下側にあたる部分を切り取って、簡易的な防水ケースとして使うこともできます。

画像:2.5Lのペットボトルをカッターでカットしたもの
画像:100円ショップで購入したプラスチックケースを使用①
画像:100円ショップで購入したプラスチックケースを使用②

ちなみに、トレイルカメラが浸水する場合、トレイルカメラをパカッと開いたり閉じたりするときの接合部分から浸水してしまうことが多いので、自作する際は、ここの部分を覆って守ることが重要です。

多くのトレイルカメラの開閉部には、浸水の防止のためしっかりとゴムのパッキンが入っていますが、経年劣化で緩んだり、隙間ができたりすることもあるので、パッキン部分が問題なく機能しているか確認しておくと良いですね。

1-6.養生テープを巻く

浸水しやすいカメラの開閉部分(側面)を養生テープで隙間なく塞ぐのも簡易的ですが有効な方法です。ただし、テープに隙間があると逆に水が侵入しやすくなってしまう可能性もあるので、注意しながら丁寧に貼り付けてください。

また、養生テープは劣化しやすいので、頻繁に巻き直すようにしましょう。
(※メーカーによっては保証対象外となるため自己責任で行うこと)

画像:養生テープを巻き付けた状態

1-7.その他の対策方法

他にも、トレイルカメラの前面のレンズ部分などには隙間が空いている場合があるので、

  • なるべくカメラを上に向けないようにする
  • カメラ前面の隙間をグルーガンで目張りする
    ※機能に支障が出ないよう注意すること
    ※メーカーによっては保証対象外となるため自己責任で行うこと

また、

  • 周りに木々がなく吹きさらしで雨風が直接当たる場所への設置は避ける
  • 林内など天候の影響を受けにくい場所に設置する

高山では、風雨の影響を受けやすいため、

  • 風よけを作る
  • 雨の通り道のような場所への設置は避ける

谷戸や湿原のような環境は湿度が高いため、

  • カメラ内部の隙間に乾燥剤を入れる

など設置環境に応じた対策も有効です。

当社では、トレイルカメラを動物調査に使用している技術者が多く在籍していますので、また良い対策方法があれば都度お伝えしていこうと思います。

【Q,もし浸水が原因で故障してしまったらどうする?】

トレイルカメラに不調が見られ、その原因が浸水によるものかもしれない時には、まずは以下対策をお試しいただくことで改善する可能性があります。

  1. トレイルカメラに入っている電池、 SD カードなどを全て外す
  2. トレイルカメラを開放して 3 、4 日ほど乾燥させる
画像:トレイルカメラから電池、SDカードを取り外し、開放した状態

浸水が原因の場合、この対処方法で直る場合が多いですが、変化がない時は故障の可能性がありますので、購入元の販売店へお問い合わせください。

2.【トレイルカメラの豆知識】~設置編~

トレイルカメラを設置する際は、木の幹などに付属のベルトで括り付けて固定します。通常の設置方法についてはシンプルなので、それだけと言ってしまえばそれだけなのですが、この設置についても実はたくさんのポイントや工夫できる方法があります。

2-1. 設置場所、環境について

「熱を感知して自動的に撮影する」というトレイルカメラの特性上、設置前に気を付けておきたいポイントとその理由をご紹介します。

2-1-1. トレイルカメラ設置前に画角に入る範囲を草刈りして障害物をなくす

風に揺れる植物にカメラが反応してしまわないように注意して「空打ち」を防ぎましょう。

トレイルカメラ(センサーカメラ)よくある質問集」 の中でもご説明している通り、動物ではなくても、「熱を持っていて動きがあるもの」であれば赤外線が反応します。そのため、トレイルカメラの画角に植物などの障害物があると、それが日の光で熱を持ち、風に揺れたときに、カメラが動物と勘違いしてシャッターを切ってしまう(これを空打ちという)のです 。

このような「空打ち」が多発してしまうと、肝心な動物が映っていない画像や動画がどんどん溜まってしまいます。当社スタッフの体験談ですが、設置期間たった2週間で、SDカードの容量が満杯になってしまったことがあったそうで、何万枚も「空打ち」していたためデータの確認作業もめちゃくちゃ大変だった……という苦い経験をした人もいます。

なので、このような「空打ち」を予防するために、なるべく草地での設置を避けた上で、画角に入る範囲(カメラの最低前方3m程度)を草刈りしておくことがおすすめです。

その他にも、トレイルカメラの設定でも空打ちを制御することができますので、こちらも併せて試してみてください。詳しい設定方法については、この後の設定に関わる項目、「2-3-1. 」で説明しています。

2-1-2. トレイルカメラは太陽光NG!画角内に太陽が入らないように設置する

画角は東・西を避け、北・南に向けるのがおすすめです。

こちらも理由は先程同様、空打ちを防ぐためでもありますが、太陽光で画面が見づらくなってしまう(確認作業がしづらい)のを防ぐためでもあります。トレイルカメラの画角内に太陽が入らないように、日が昇ってくる東・西を避けて、中間の北・南にレンズを向けるように設置しましょう。

2-1-3. トレイルカメラを獣道に設置する場合

トレイルカメラを獣道に設置する場合は、動物が横切る方向ではなく、向かってくる(または去っていく)方向に向けてカメラを設置します。

猟師の方や、動物調査でトレイルカメラを使われる方は獣道に設置している場合が多いと思います。その時、動物がなるべく長く画角に入る方向にカメラを向けることで、撮影の成功率が高まります。

全く同じ移動スピードでも、奥から手前に向かってくる場合に比べ、横切る動物は撮影範囲内を短時間で通過します。シャッターのタイミングによっては、トリガースピードの速い機種でも全く映らないこともありますし、多くのトレイルカメラは赤外線ライトを照射してスローシャッターで撮影するので、写ってもブレブレの写真になってしまいます。

ですので、撮影の成功率を上げるために、トレイルカメラは動物が横切る方向ではなく、向かってくる(または去っていく)方向に向けて設置するように意識しましょう。

【コラム:みんなどうしてる?トレイルカメラの「高さ」】

どのくらいの高さにトレイルカメラを設置するかは人によってさまざまです。私が認識しているところですと、おおよそ下記の2パターンに当てはまるように感じます。

①30~50cm(獣の目線)くらいの高さ

30~50cmの高さで設置するとこのようなイメージです。

画像:30~50cm(獣の目線)くらいの高さ

この高さでは小さなネズミ類も捉えることができ、対象動物の種類によって50cm~1ⅿくらいで調節する人もいるようです。

②胸の高さくらいで、レンズを下方に向ける

この場合、トレイルカメラをやや高めに設置して、木の枝などを背面に噛ませ、レンズを下に向けるイメージです。

照射ライトが人の目に見えない赤外線ノーグロウの機種であったとしても、動物たちは認識して警戒するのではないかといわれていて、実際、明らかにカメラ目線の動物が高頻度で撮影されることもあります。

なので、あえて高い位置にカメラを設置して、カメラが動物の視界に入らないように意識している人もいます。動物の目線から外すことで、イノシシやクマ等にカメラを破壊されるリスクも減りますね。

2-1-4.こんな場所へトレイルカメラを設置する場合は注意!

設置場所について、気を付けたほうが良い環境がありますのでいくつか紹介します。

①豪雪地帯での設置

豪雪地帯では雪が一晩で積もることもよくありますので、トレイルカメラの設置場所には気を遣う必要があります。

  • 屋根を作ってカメラの上に雪が積もるのを防ぐ
  • 高い位置に設置して積雪に埋もれてしまうのを防ぐ
  • 長期設置は避ける

など予め対策をしましょう。

また、トレイルカメラの電源である乾電池は、気温が低くなりすぎると電圧が出なくなり、カメラが正常な撮影を行えなくなる可能性もありますので注意しましょう。一般的な単三乾電池の使用環境温度は、アルカリ乾電池で約5℃~45℃リチウム乾電池は約−40℃~60℃といわれており、アルカリと比べて、リチウムは低温耐性が高く、電池持ちも良いとされています。

アルカリ乾電池よりも少々高価にはなりますが、寒冷地でトレイルカメラを設置する場合はリチウム乾電池を使うと安心です。

※当店取り扱いのトレイルカメラは全てリチウム乾電池が使用できますが、その他機種によっては使用できない可能性もありますので、ご購入前に販売店に確認することをおすすめします。(※2022年8月時点)

※充電式のニッケル水素充電池は、アルカリ乾電池よりも電圧が低いため、設置環境にかかわらず推奨していません。

②河川周辺での設置

弊社スタッフの中に、トレイルカメラを河川近くに設置していたところ、豪雨によりカメラを設置した支柱ごと流されてしまった……という悲劇にあった人がいます。結果的に太い木に設置したトレイルカメラだけ流されずに済んだようなので、河川周辺に設置する際はもしものことも考え、流されやすいものへの設置は避けたほうが良いでしょう。

【コラム:悲報!トレイルカメラが動物に破壊される!?】

トレイルカメラを使っていると、回収しに行ったときにカメラが「設置場所から外れて落ちていた!」「何者かに壊されていた!」ということも起こり得ます。特に「林内」に設置すると、クマやイノシシ、サルにカメラを壊されてしまい、損傷が激しい場合は再度使用することができなくなってしまうケースもあります。

福岡県で箱罠付近にトレイルカメラを仕掛けた際、イノシシに破壊されてしまった事例については、「イノシシ対策の知恵袋_「トレイルカメラを設置したらイノシシに壊された!?」3つの原因と3つの対策」 でもご紹介しました。

実はこの事例の他にも動物にトレイルカメラを破壊される事例はいくつかあり、特に近年クマの出没が増えているとされる東北地方ではその確率が高いようです。弊社でも調査用に設置していた240台中のうち、24台のカメラがクマにより破壊され、さらにそのうち13台が使用不能になってしまったことがあります。

画像:クマによって破壊されたトレイルカメラ

このような動物による破壊を防ぐには現状、以下のような対策が考えられています。

【設置】

  1. 動物の視界に入らないように、高い位置にトレイルカメラを設置する
  2. トレイルカメラより太い木に設置する
  3. 箱罠監視用に設置する場合、米ぬかなど餌の匂いが付いた手でトレイルカメラに触れない
  4. 動物の気を引いてしまうものを排除する(カメラを固定するベルトの余り、設置看板を縛るひも、目印の標識テープなど)

【道具】

  • オプションで販売されている金属製のボックス(セキュリティボックス等)や、太めのワイヤー(パイソンロック等)を併用する
1.動物の視界に入らないように、高い位置にトレイルカメラを設置する

例えばクマを対象とした場合、クマが立った時に手が届かない高さであることが理想的ですが、その場合、ヒグマより小さいツキノワグマでも2mほどの高さに設置しなければならないので、角度調整のことも考えると現実的ではありません。クマは木にも登りますので、まずは四つ足で歩いているときの視界に入らない位置に設置するのが良いでしょう。

2.トレイルカメラより太い木に設置する

この理由は、細い木や枝の場合、トレイルカメラが目立ってしまい、動物の注意をひいてしまうからです。

3.箱罠監視用に設置する場合、米ぬかなど餌の匂いが付いた手でトレイルカメラに触れない

これは罠にエサをまいた手でトレイルカメラを設置してしまうと、餌の匂いに反応してトレイルカメラに気づかれてしまうからです。

4.動物の気を引いてしまうものを排除する(カメラを固定するベルトの余り、設置看板を縛るひも、目印の標識テープなど)

こちらも理由としては②や③と同じで、ベルトやワイヤー、目印のテープなどの余りがカメラから垂れていると動物の注意をひいてしまうからです。さらに垂れたところを引っ張られてトラブルに繋がる恐れもあります。ですので、カメラ固定後に余ったベルトやワイヤーなどは垂れないように、木に巻き付けるようにしましょう。これは「空打ち」の予防にもなります。

オプションで販売されている金属製のボックス(セキュリティボックス等)や、太めのワイヤー(パイソンロック等)を併用する

道具で対策する方法としては、防犯対策用のオプションとして販売されている金属製のボックスの中にトレイルカメラを入れて本体を保護し、さらに太いワイヤーで木に固定することで、過度な破壊や紛失を防ぐことができます。当店では一部の商品に「セキュリティパッケージ」として販売しています。

画像 :ハイクカムシリーズの「セキュリティパッケージ」

なお、当店取り扱い機種の中で「セキュリティパッケージ」オプションがあるトレイルカメラは以下、取り扱い機種の機能比較表内、「オプション価格」の項目をご覧ください。

トレイルカメラ比較表

通信機能付きトレイルカメラ比較表

※「セキュリティパッケージ」購入方法:各トレイルカメラの商品ページにて「セキュリティパッケージ」をご選択ください。

※ご注意:「セキュリティパッケージ」は、カメラ本体+金属ボックス+ワイヤーが1セットになったパッケージです。ボックスやワイヤーのみをお求めの場合は別途お問い合わせください。

トレイルカメラの特性上、カメラの前面は覆えないので金属ボックスも前面は開いています。そのためボックスに入れてもカメラ全体を保護することはできません。

ですがカメラの側面をしっかり保護できるので、先程の画像ような、カメラ半分が紛失する事態を防いだり、大切なデータが入ったSDカードを守ったりすることはできます。さらに、頑強なワイヤーでボックスごと固定することにより、カメラ本体そのものの紛失も防げます。

カメラ付属のナイロン製の固定ベルトでは耐久性があまりないため、動物に噛み切られてしまうこともあるので注意が必要です。

設置したトレイルカメラを動物に破壊されたり紛失したりしないために、現状では上記で紹介した対処法が有効ですが、もちろんこれで100%被害を防げるわけではありません。自然環境の中で野生動物と向き合う限り起こり得るイレギュラーの可能性を加味しつつ、根本的な対策を考えていく必要がありますね。

2-2. 設置の際に役立つ豆知識

これまでのポイントを確認できたら、いざ設置です。トレイルカメラを設置するときに知っておくと役立つ豆知識をご紹介します。

2-2-1. トレイルカメラの画角調節は意外と大変

設置場所を決めたら、トレイルカメラを付属のベルトで木に固定します。この時、カメラの画角内に対象の動物がしっかり入るようにカメラの向きを調節します。

クマ対策で高い位置から下を見下ろすようにカメラを傾けたり、特定の場所を映したいときはカメラの背面と木の間に物をかませたりして角度調整が必要です。なにも用意がない状態だと、その場で程よい太さの枝や石を調達して微調整しなければなりません。

しかも、何とかうまく調整できたと思ってテスト撮影してみたら、「もうちょっと右だった」とか「もっと下だった」など再調整しなければならないこともあり、微妙な角度の調節をするのが意外と大変なんですね。

そんな時に知っておくと便利な豆知識がこちら。

①画角調整オプションとの併用でラクラク設置

ハイクカムシリーズ、TRELシリーズには画角調整に便利なオプションがあります。

画像:ハイクカムシリーズの画角調整オプション「ダイレクトカメラブラケット」※固定ベルトに自由雲台が組み合わさった構造

画像はハイクカムシリーズのオプションですが、TRELシリーズのオプションも構造は同じです。ちなみに、このブラケットはネジでカメラ本体を固定するので、一般的な規格のネジ穴(通称:カメラネジ)があれば他の機種でも取り付け可能です。

ボール状の可動部で任意の向きと確度に調整したらしっかりネジで固く固定します。付属するベルトもレバーで締め付けていく「ラチェットベルト」ずり落ちてしまう心配もありませんのでお勧めのオプションです。

「画角調整オプション」があるトレイルカメラは以下です。

ハイクカムシリーズ(オプション名:ダイレクトカメラブラケット)

TRELシリーズ(オプション名:ダイレクトツリーマウント)

※購入方法:各トレイルカメラの商品ページにて「ダイレクトカメラブラケットセット」、あるいは「ダイレクトツリーマウントセット」をご選択ください。

※ご注意:上記セットは「カメラ本体+画角調整オプション」が1セットになったパッケージです。「画角調整オプションのみ」をお求めの場合は別途お問い合わせください。なお、当オプションは「セキュリティボックス」と併用ができるタイプとできないタイプがあります。

②枯れ木をビニールテープや針金で結束したものを枕にする

一方で、オプションに頼らないで、画角調整を簡略化するコツや方法もあります。

枕に使う枯れ枝がばらけていると、カメラをずらして微調整しているうちに枝もズレてしまい、ベストな角度に固定することが難しいため、予め固く結束しておくと調整が楽になります。私は、小さめのファスナー付きの袋に土を詰め、袋が破れないように2重にした上で、土の量で角度を調節することもあります。やりやすい方法でお試しください。

③自由雲台を活用する

自由雲台を活用すると画角調整がとても楽になります。カメラと雲台はネジで固定するため、取り付け取り外しも簡単です。

使用例は次項「2-2-2.」でご紹介しています。

※使用するトレイルカメラにネジ穴があるか、外部電源を使う場合はその接続部に雲台が被らないか、事前に確認しておきましょう。

④コンデジやスマホを利用して視野を確認

設置したトレイルカメラの画角を調整する場合、設置した状態でテスト撮影をし、撮影したデータをカメラディスプレイで確認するか、SDカードのデータをパソコンで確認しながら調整しなければならず、非常に大変です。

そこで、予めトレイルカメラの画角と同じになるようにコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)またはスマホカメラの倍率を調整しておき、設置したトレイルカメラのレンズに密着させるようにして撮影します。

こうすることで、コンデジやスマホでトレイルカメラの画角を再現できるというわけですね。コンデジやスマホであれば撮影した画像も手元ですぐに確認ができるので、とても便利です。

2-2-2. 三脚や塩ビ管を活用して設置を簡単に!

これについては、既にトレイルカメラを使っている人は実践済みかもしれませんね。

トレイルカメラは通常その場にある立木に括り付けて固定しますが、その場に設置に適した木がない場合もありますし、これまで説明してきたように画角の調整が大変です。

このようなときは三脚や塩ビ管などを活用しましょう。

①三脚 + 自由雲台を使った設置例
画像:三脚に自由雲台を装着しカメラを固定(全体イメージ)
画像:三脚に自由雲台を装着しカメラを固定(カメラ部分)

画像のように三脚が倒れないようにトレイルカメラ付属のベルトを使って、三脚ごと立木に巻き付け固定します。画角調整が簡単かつ自在なので、映したい場所がピンポイントな場合に重宝します。

三脚と自由雲台組み合わせでは、

  • 三脚で高さ
  • 自由雲台で画角

を自在且つ簡単に調節できるのでとてもおすすめです。

ネジ穴があるトレイルカメラであれば実現できますので予めネジ穴がどこにあるのか確かめておきましょう。

画像:撮影された静止画(ヒヨドリ)

※注意点:トレイルカメラに外部電源をつなげて運用する場合、自由雲台の台座がそのソケット部分に被ってしまわないように注意しましょう。自由雲台はなるべく台座面積が狭い小さめのものを使うとソケットに干渉しにくいのでお勧めです。

画像:台座の面積が狭い自由雲台の参考(商品:ハクバ HAKUBA BH-1 自由雲台)

三脚だけでも設置は可能ですが、動物に倒されてしまう恐れがあるため、必ず周囲の木に固定しましょう。

ベテランになると、画像のように「L字金具 + 自由雲台 + 防水ケース」を組み合わせることで防水対策しつつ、自由雲台を活用しているスタッフもいます。この方法は猛禽類の営巣をモニタリングする際などにも活用できますね。

画像:L字金具 + 自由雲台 + 防水ケース
②塩ビ管を使った設置例
画像:塩ビ管を地面に打ち込みトレイルカメラを固定

湿地など周囲に立木のないような環境でトレイルカメラを設置するときは、塩ビ管や木の杭にカメラを固定するとよいでしょう。

画像:塩ビ管のトレイルカメラ固定位置に横棒を通しておくと固定しやすい
画像:塩ビ管にトレイルカメラを固定(横棒を活用)

※これまでにご説明してきました「設置の高さ」に関するヒントも踏まえ、対象動物・設置環境を考慮して、三脚や塩ビ管など、便利道具の使用を検討してみてください。

2-2-3. 固定に使ったベルトは垂らさない!

基本的なところですが、トレイルカメラを固定するベルトが余ったら、木に巻き付けるなどして垂らさないよう気を付けましょう。ベルトが垂れていると、風に揺れたときカメラの前にチラついてしまい、センサーが反応して空打ちの原因になります。

また、前述でも紹介した通り、動物にいたずらされる原因にもなりかねません。

2-2-4. SDカードは使用するトレイルカメラで事前に「フォーマット」すべし

トレイルカメラに使うSDカードは、カメラに挿入して、カメラのメニューから一度「フォーマット」しましょう。そしてカメラに入れる前にSDカード横のスライドが「LOCK」状態になっていないか確認してから挿入します。

「LOCK」のところにスライドがあると(LOCK状態)、SDカードにデータが書き込めなくなりますので要注意です。

2-2-5. トレイルカメラの仕様に合ったSDカードを使う

トレイルカメラの仕様によって、使えるSDカードも変わります。標準サイズのSDカード仕様のカメラにmicroSDを使わないようにしましょう。

microSDを標準サイズのSDに変換するアダプターがありますが、トレイルカメラでは使用しないでください。トレイルカメラがSDカードを認識したとしても、データが書き込まれないなどの不具合が起こる恐れがあります。

私は学生時代、このことを知らずにmicroSDを変換アダプターに入れて使ったことがあるのですが、SDカードは認識されているのにデータがSDカードに入っていないという事態が起きました。このときは、標準サイズのSDカードに交換したら問題なくデータが保存されましたので、やはりmicroSDを変換アダプターに入れて使ったのが不具合の原因だったようです。

画像:SDカードのサイズ

※トレイルカメラの機種によって、仕様がmicroSDの機種もありますので、どのサイズのSDカードが適応するのか事前にご確認ください。

2-2-6. 電池ボックスの経年劣化に注意

トレイルカメラの電池ボックスは何度も繰り返し電池交換を繰り返していると、経年劣化により電池を固定する力が緩んできたり、マイナス極側のバネが曲がってきたりします。これによって稀に設置した後に電池がカメラの中で外れてしまい電源が落ちてしまうことも起こります。

それを防ぐために、電池を入れた後、電池ボックスにプチプチ(気泡緩衝材)をかませて、電池がズレないように固定すると安心です。特に電池を縦に2列並べるタイプの機種で起こりやすいので、ホールドがちょっと弱くなってきたと感じる場合には注意しましょう。

2-3. 設定に関わる豆知識

用途によってさまざまな設定を組めるトレイルカメラ。設定の仕方は多岐にわたりますが、知っておくと役立つものがあります。

2-3-1. 設定を駆使して「空打ち」を減らそう

トレイルカメラの設置場所・環境などから「空打ち」対策する方法については「2-1-1.」や「2-1-2.」の項目で紹介しましたね。今度はトレイルカメラの設定で空打ちを減らす方法を紹介します。

①「センサー感度」を下げる

これは熱(赤外線)に反応するセンサーの感度を調節することで、空打ちを防ぐ方法です。

赤外線センサーは、外気温と対象物の温度の差がある状態での対象物の動きに反応しますので、例えば外気温が35℃で対象物の温度も35℃の場合、対象物が動いてもセンサーは反応しないということになります。

では、「空打ち」が起こるのはどんなときかというと、例えば外気温が10℃のとき、直射日光を浴びて表面温度が13℃になった大きな葉が揺れたときにセンサーが感知してしまうというケースです。その場合、センサー感度を「高」から「低」に変更することで、トレイルカメラは温度差に対して鈍感になり、「空打ち」する確率が減少します。

ただし、

  • 哺乳類を対象としている場合:外気温と対象動物との温度差が少ない夏場
  • 小動物や鳥類を対象としている場合:対象動物の熱源が小さい

このような場合はセンサー感度を「低」にしていると対象物を感知しにくいため、小まめに設定を変えて最適な感度に調整しましょう。

画像:「センサー感度」の設定画面
②「センサーインターバル(または「ディレイ」)」の間隔を広げる

これは「センサーインターバル」、つまり撮影した後に再度センサーを起動する間隔を調整することで、最終的な撮影枚数を調整する機能の活用です。機能の名称は機種により「センサーディレイ」と呼ばれる場合もあります。

「センサーインターバル」を長く設けることで、空打ちの枚数を制御したり、カメラのセンサー範囲内に長時間居続けた動物の同じような画像を撮りすぎないようしたりもできます。ただし、インターバルの間隔が長ければ長いほど、撮影のチャンスを逃してしまう確率が上がるので、求めるデータ内容によって調節しましょう。通常、30秒~1分ほどで設定する人が多いようです。

③「スケジュール機能」の活用

これは「スケジュール機能」(ブッシュネルシリーズでは「フィールドスキャン機能」)という、撮影時間を設定できる機能を活用する方法です。最近ではこの機能が付いているトレイルカメラがほとんどで、とても便利な機能です。

対象動物が夜行性の場合、夜間のみの撮影で十分ですので、「スケジュール機能」で撮影開始時刻を夕方の16:00、終了時刻を早朝の4:00などに設定すれば、空打ちの多い昼間を避けて、夜間のみ撮影するようにできます。

画像:スケジュール設定画面

2-3-2. 必要以上に高画素設定にしない

トレイルカメラは最低200万画素~3600万画素まで画素数設定の幅もさまざまです。画素数はそのトレイルカメラで撮影できる画像サイズのことです。

「高画素数=高画質」と思われがちなのですが、画像を拡大したり、A3以上の大きな用紙に印刷したりしない限り、実は肉眼では違いを感じにくいのです。その割には高画素数のデータはデータサイズが大きいので、その分SDカードの容量を圧迫してしまいます。

ですので、特に高画素数のデータの取得が目的でない場合は、必要最低限の画素数に設定することをお勧めします。同じ設置環境で、1200万画素と3000万画素で撮影・比較した画像がありますので下記参照ください。

画像:1200万画素の静止画(ハイクカムSP2で撮影)

※画像サイズは約4MBなので、32GBのSDカードに約8,000枚保存可能。

画像:3000万画素の静止画(ブッシュネル トロフィーカムXLT 30MPノーグロウDCで撮影)

※画像サイズは約10.5MBなので、32GBのSDカードに約3,050枚保存可能。

2-3-3. 設置前に必ず「日時設定」を確認する

トレイルカメラを使うとき、予めカメラ内の日時設定を現在時刻に合わせます。この設定した時間は撮影された画像の下側にタイムスタンプとして示されますし、データを振り返るときにもいつ撮影されたものなのかチェックしますので、ここは正確に設定しておきたいところです。

ですが、電池やSDカードを交換したときや、久しぶりにトレイルカメラを使用するときは、日時設定がリセットされてしまうことがあるので設置前には必ず確認しましょう。日時設定がリセットされるタイミングは機種により異なりますが、「電池を全て抜いた状態で一定時間経過するとリセットされる場合が多い」ようです。

【日時設定がリセットされるタイミング】
  • ハイクカムシリーズ:電池を外してから約20~30秒後
  • TRELシリーズ(4G-Rを除く):電池を外してから約15分後

ちなみにですが、通信機能の付いたTREL4G-R には、自動的にインターネット時刻を取得してカメラに反映させる「自動時刻同期機能」が備わっています。

日時設定を忘れて現場に設置してしまった場合も1週間以内に正しい日時へ自動更新することが可能になっています。便利ですね~。

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この記事を書いた人

桑田 莉奈

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