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【検証動画】アライグマ・ハクビシンの木登り対策|有刺鉄板は何cm幅で効果があるのか?

【検証動画】アライグマ・ハクビシンの木登り対策|有刺鉄板は何cm幅で効果があるのか?

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近年、全国の果樹栽培地において大きな課題となっているのが、アライグマやハクビシンによる獣害です。これらは木登りが非常に得意であり、樹上に侵入してブドウなどの作物を摂食する被害が多発しています。

対策として、樹木の幹にプラスチック板やペットボトルなどの滑りやすい素材を巻き付ける方法が広く知られていますが、実際には十分な防除効果が得られないケースが少なくありません。

本記事では、彼らの登坂習性を踏まえた上で、当社が有する里山フィールド(検証用試験地)にて実施した「有刺鉄板Ⅱ」の実証試験のプロセスと結果を報告します。

1. アライグマ・ハクビシンの登坂習性について

アライグマやハクビシンは、樹木に爪を立てて登るのではなく、前足と後足で幹を挟み込み、巻き付けるようにして登る習性を持っています。表面が多少滑る素材であっても、強い力で締め付けるようにして登坂してしまう傾向があります。

これを確実に防ぐためには、滑らせる対策ではなく「足を巻き付けることができない素材(物理的な突起)」を設置する対策が極めて有効です。

2. 試験の概要とセッティング

今回の試験は、果樹の若木やブドウ棚の支柱として一般的なサイズである「直径5cmの細い樹木2本」を対象に実施しました。

これまでの予備試験において、単に高い位置に餌を設置しただけでは、動物がその存在に気づかずに通り過ぎるケースが確認されていました。アライグマやハクビシンは「一度餌を認識すると、樹上まで確実に探索して登る」という特性があるため、今回は以下の2段階で餌(乾燥フルーツ)を配置しました。

  1. 地面から約60cmの位置(誘引目的):動物の目線に合わせて配置し、匂いと視覚で餌の存在を認知させます。
  2. そこからさらに約60cm高い位置(試験目的):本命となる試験用の餌を多めに設置します。

この「誘引餌(地面から60cm)」から「試験餌(そこからさらに60cm上)」へ至る登坂ルートにおける「有刺鉄板Ⅱ」(高さ6mmの突起付き)の有無、および設置幅を変えながら、センサーカメラで行動を記録しました。

有刺鉄板を適切なサイズに加工
写真:有刺鉄板を適切なサイズに加工
設置の全体像
写真:設置の全体像

3. 検証結果

「有刺鉄板Ⅱ」の設置条件を変更し、アライグマおよびハクビシンに対する防除効果を検証しました。

① 対照試験:有刺鉄板の設置なし

  • 結果:アライグマにより試験餌が即座に摂食されました。
  • 動画から見る行動分析:障害物のない状態の樹木に対して、アライグマは迷うことなく前足を幹に巻き付け、円滑に登坂を完了しました。上方の試験餌にも容易に到達し、すべて摂食される結果となりました。

動画:①対照試験:アライグマがスムーズに登坂・摂食する様子

② 3枚設置(幅:約9cm)

  • 結果:ハクビシンにより試験餌が摂食されました。
  • 動画から見る行動分析:ハクビシンは9cmの突起エリアに対し、棘に触れないよう巧みに避けながら、特段問題なく樹木を登坂し、試験餌を摂食していました。このことから、9cmという幅はハクビシンの登坂行動を制限するには不十分であるというデータが得られました。

動画:②3枚設置時:ハクビシンが棘を避けて登坂・摂食する様子

③ 6枚設置(幅:約18cm)

  • 結果:アライグマにより試験餌が摂食されました。
  • 動画から見る行動分析:アライグマが試験餌を摂食したものの、その際、幹に巻かれた有刺鉄板の突起(棘)に触れてしまい、その後退散していく様子が記録されていました。一定の忌避効果(嫌がる素振り)は見られたものの、完全に被害を防ぐには至らず、防除幅としては「もう少し」という段階であることが確認されました。

動画:③6枚設置時:アライグマが摂食後に棘に触れて退散する様子

④ 10枚設置(幅:約30cm)

  • 結果:完全な防除に成功しました。
  • 動画から見る行動分析:下の誘引餌を確認したアライグマおよびハクビシンが登坂を試みましたが、30cmに及ぶ突起エリアに直面。身体を伸ばしても口が届かず、さらにそれ以上登るためには突起部に前足を巻き付ける必要があるため、登坂を途中で断念し、退散していく様子が記録されました。

動画:④10枚設置時:動物が登坂を諦めて退散する様子

4. 結論と効果的な防除ライン

今回の実証試験により、以下の結論が得られました。

アライグマ・ハクビシンの登坂を完全に防ぐには、最低でも「約30cmの設置幅」が必要である。

今回使用した幅3cmの「有刺鉄板Ⅱ」は、変形した支柱や細い枝など、形状に合わせて柔軟に巻き付ける用途に適しています。樹木への巻き付け対策として使用する場合は、10枚程度を重ねて設置し、約30cmの幅を確保してください。

施工に関する重要アドバイスと安全対策

  • 強固な固定(針金の推奨):有刺鉄板を樹木や支柱に固定する際、樹脂製の結束バンド(タイラップ)を使用すると、有刺鉄板のエッジや鋭利な突起によってバンドが擦れ、切断されてしまう恐れがあります。屋外での長期的な設置強度を保ち脱落を防ぐため、固定の際は針金等をご使用ください。
  • 作業時の安全確保(革手袋の着用必須):有刺鉄板の突起およびエッジは非常に鋭利です。施工中に棘が刺さるのを防ぐため、作業時は布製の軍手ではなく、必ず厚手の革手袋を着用してください。

効率的な対策を行うための推奨商品

「細い鉄板を10枚重ねて設置するのは手数がかかる」という場合や、一般的な太さの立木・支柱に対策を行う場合は、あらかじめ幅が広く設計されているハクビシン・アライグマ専用モデルの導入が効率的です。

当社の「有刺鉄板(通常モデル)」は、1枚で幅12.5cmあります。 これを樹木の幹に縦に2〜3枚並べて針金等で固定するだけで、環境に合わせて今回の試験で実証された防除ライン(25cm〜37.5cmの幅)を容易に構築することが可能です。動物が前足を巻き付ける隙間を与えず、確実な防除効果を発揮します。

▼ 1枚で幅12.5cm。広範囲を効率よく防ぐ標準モデル【有刺鉄板 ステンレスタイプ(10枚入り)】

有刺鉄板 ステンレスタイプ(10枚入り)
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一方、形状に合わせて細かく調整したい場合は、今回の試験で使用した細身タイプが有効です。

▼ 形状に合わせて細かく調整しながら巻ける細身タイプ【有刺鉄板Ⅱ ステンレスタイプ(30枚入り)】

有刺鉄板Ⅱ ステンレスタイプ(30枚入り)
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いずれも、サビに強いステンレス製のため、長期の屋外設置にも耐えうる仕様となっています。大切な果樹を守るための選択肢としてご検討ください。

5. 周辺環境への配慮と当社の取り組み

なお、今回の実証試験にあたっては、周囲の農地へ被害を拡大させないよう、現地で栽培されていない種類の乾燥フルーツを試験餌として使用しました。また、動物がこの場所に餌があることを学習することを防ぐため、データ取得後はごく短期間で速やかに試験を終了し、撤収を行っています。

当社では、今回の試験フィールドを含む活動エリアにおいて、継続的なアライグマの駆除活動(個体数管理)も実施しております。

個体数を抑える「駆除」と、今回のように物理的に侵入を防ぐ「防除」の双方を正しく組み合わせることが、確実な獣害対策には不可欠です。

6. 【メーカー・開発企業様へ】実証試験フィールド提供のご案内

当社では、野生動物対策製品や屋外資材などの開発・検証を行える複数の里山フィールド(検証用試験地)を管理しております。

「実際の現場環境でテストしたい」「センサーカメラを用いた野生動物の行動分析データが欲しい」といったメーカー様や研究機関様は、共同試験やフィールドの活用についてぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

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