【活用事例】大型獣用わな監視システム「ワナの番人」をアライグマ・中型獣対策に
投稿日:2026年3月3日
運営会社:株式会社 地域環境計画
投稿日 : 2026年06月19日

近年、全国の果樹栽培地において大きな課題となっているのが、アライグマやハクビシンによる獣害です。これらは木登りが非常に得意であり、樹上に侵入してブドウなどの作物を摂食する被害が多発しています。
対策として、樹木の幹にプラスチック板やペットボトルなどの滑りやすい素材を巻き付ける方法が広く知られていますが、実際には十分な防除効果が得られないケースが少なくありません。
本記事では、彼らの登坂習性を踏まえた上で、当社が有する里山フィールド(検証用試験地)にて実施した「有刺鉄板Ⅱ」の実証試験のプロセスと結果を報告します。
目次
アライグマやハクビシンは、樹木に爪を立てて登るのではなく、前足と後足で幹を挟み込み、巻き付けるようにして登る習性を持っています。表面が多少滑る素材であっても、強い力で締め付けるようにして登坂してしまう傾向があります。
これを確実に防ぐためには、滑らせる対策ではなく「足を巻き付けることができない素材(物理的な突起)」を設置する対策が極めて有効です。
今回の試験は、果樹の若木やブドウ棚の支柱として一般的なサイズである「直径5cmの細い樹木2本」を対象に実施しました。
これまでの予備試験において、単に高い位置に餌を設置しただけでは、動物がその存在に気づかずに通り過ぎるケースが確認されていました。アライグマやハクビシンは「一度餌を認識すると、樹上まで確実に探索して登る」という特性があるため、今回は以下の2段階で餌(乾燥フルーツ)を配置しました。
この「誘引餌(地面から60cm)」から「試験餌(そこからさらに60cm上)」へ至る登坂ルートにおける「有刺鉄板Ⅱ」(高さ6mmの突起付き)の有無、および設置幅を変えながら、センサーカメラで行動を記録しました。


「有刺鉄板Ⅱ」の設置条件を変更し、アライグマおよびハクビシンに対する防除効果を検証しました。
動画:①対照試験:アライグマがスムーズに登坂・摂食する様子
動画:②3枚設置時:ハクビシンが棘を避けて登坂・摂食する様子
動画:③6枚設置時:アライグマが摂食後に棘に触れて退散する様子
動画:④10枚設置時:動物が登坂を諦めて退散する様子
今回の実証試験により、以下の結論が得られました。
アライグマ・ハクビシンの登坂を完全に防ぐには、最低でも「約30cmの設置幅」が必要である。
今回使用した幅3cmの「有刺鉄板Ⅱ」は、変形した支柱や細い枝など、形状に合わせて柔軟に巻き付ける用途に適しています。樹木への巻き付け対策として使用する場合は、10枚程度を重ねて設置し、約30cmの幅を確保してください。
「細い鉄板を10枚重ねて設置するのは手数がかかる」という場合や、一般的な太さの立木・支柱に対策を行う場合は、あらかじめ幅が広く設計されているハクビシン・アライグマ専用モデルの導入が効率的です。
当社の「有刺鉄板(通常モデル)」は、1枚で幅12.5cmあります。 これを樹木の幹に縦に2〜3枚並べて針金等で固定するだけで、環境に合わせて今回の試験で実証された防除ライン(25cm〜37.5cmの幅)を容易に構築することが可能です。動物が前足を巻き付ける隙間を与えず、確実な防除効果を発揮します。
▼ 1枚で幅12.5cm。広範囲を効率よく防ぐ標準モデル【有刺鉄板 ステンレスタイプ(10枚入り)】

一方、形状に合わせて細かく調整したい場合は、今回の試験で使用した細身タイプが有効です。
▼ 形状に合わせて細かく調整しながら巻ける細身タイプ【有刺鉄板Ⅱ ステンレスタイプ(30枚入り)】

いずれも、サビに強いステンレス製のため、長期の屋外設置にも耐えうる仕様となっています。大切な果樹を守るための選択肢としてご検討ください。
なお、今回の実証試験にあたっては、周囲の農地へ被害を拡大させないよう、現地で栽培されていない種類の乾燥フルーツを試験餌として使用しました。また、動物がこの場所に餌があることを学習することを防ぐため、データ取得後はごく短期間で速やかに試験を終了し、撤収を行っています。
当社では、今回の試験フィールドを含む活動エリアにおいて、継続的なアライグマの駆除活動(個体数管理)も実施しております。
個体数を抑える「駆除」と、今回のように物理的に侵入を防ぐ「防除」の双方を正しく組み合わせることが、確実な獣害対策には不可欠です。
当社では、野生動物対策製品や屋外資材などの開発・検証を行える複数の里山フィールド(検証用試験地)を管理しております。
「実際の現場環境でテストしたい」「センサーカメラを用いた野生動物の行動分析データが欲しい」といったメーカー様や研究機関様は、共同試験やフィールドの活用についてぜひお気軽にお問い合わせください。
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