こんにちは「鳥獣被害対策ドットコム」の遠藤です。
今日の鳥獣害対策の知恵袋は、“夏場に捕獲された不思議なイノシシ”のお話です。
夏本番を迎え始めた7月初旬、知合いの猟友会の方から、とても興味深いお話を聞きました。
夏なのに冬毛のイノシシを捕獲
先日捕獲されたイノシシが、全身冬毛に覆われており、脂肪もたくさんついていたというのです。
猪はなぜ、夏なのに冬毛?
写真を見せて頂いたところ、体はそこまで大きくはありませんでしたが、牙(歯)がとても立派に発達していました。
なんとも時期はずれなイノシシです。

画像:夏に捕獲された冬毛のイノシシ

画像:解体したイノシシの皮下脂肪
イノシシの年齢を調べる方法とその結果
猟師さんの仮説としては、牙の大きさや脂肪の付き方からして、年中利用できる良い餌場を持っている長寿の個体ではないかというものでした。
また、その猟師さんから、年齢を調べて仮説を検証したいと相談されたため、年齢査定を実施してみることに。
イノシシなどの哺乳類では、乳歯・永久歯の萌出具合や歯のセメント質といわれる部分に形成される年輪の数を見ることで年齢を査定することが可能です。
今回は、捕獲したイノシシの歯を提供して頂けるとのことだったので、セメント質の年輪による年齢査定を大学に依頼し実施することにしました。
齢査定には上顎の第1前臼歯を使用しました。
<齢査定方法>

画像:齢査定には上顎の第1前臼歯を使用
<齢査定結果>

画像:齢査定の結果満3歳以上と推定
齢査定の結果、捕獲されたイノシシの歯には少なくとも3本の年輪がくっきりとみられたことから、満3歳以上と推定されました。
それにしても、3歳にしては少し大きいですね・・・。
通常イノシシでは、秋にドングリなどの堅果類を食べることで、全身にたくさんの脂肪を付けます。
また、3~4月に雪が溶け、埋もれていたドングリなどを食べられる環境にあれば、全身の脂肪量が多くなることもあります。
しかし、7月頃まで山の中にドングリなどが残っていることは少なく、一般的に夏季では全身の脂肪量が少なくなります。
夏なのに脂肪量が多いイノシシ その理由とは?
では、なぜこんなに脂肪が付いていたのでしょうか?
要因となる餌資源としては、次のようなものが考えられます。
- 近くの養豚場や牛舎の餌
- 箱わなの餌
こうした良質な餌資源を常に採食できる状況にあるイノシシでは、夏季でも肥えている時期外れな個体が見られることがあります。
このような、時期はずれのイノシシが捕れた場合には、なぜそこまで栄養状態が良いのかを考え、人間側に要因がある場合には、イノシシに餌を与えてしまうような環境を作り出さない努力をしていくことが大切になります。
それにしても、イノシシにも時期相応の体型キープを心がけてほしいものですね。
————————————————————–
★イノシシ対策用品はコチラ⇒⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/boar
————————————————————–
★イノシシ被害を防ぐ3つのステップとは?⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/inoshishihigai/
————————————————————–
★イノシシの生態などはコチラから⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/description-wildboar
————————————————————–
鳥獣被害対策ドットコムでは、商品の割引情報などお得な情報が満載なメールマガジンを月に2回、配信しています!
ぜひ、登録してみてください!
★メルマガ登録はコチラから⇒
https://www.choujuhigai.com/blog01/mail_magazine