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トレイルカメラ4Kモデル「TREL 18J-4K」レビュー|256GB対応で長期の野生動物調査におすすめ

トレイルカメラ4Kモデル「TREL18J-4K」レビュー

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トレイルカメラを用いた長期の野生動物調査や、4K画質での高精細記録を検討している方に向けて、本記事では TREL 18J シリーズの現行モデル「TREL 18J-4K」を実地で運用した結果を詳しくレビューします。

「TREL 18J-4K」は、夜間は白色LED(カラー)と赤外線ノーグロー(モノクロ)の2つの撮影モードを切り替えられる点や、256GBの大容量SDカード対応・超低消費電力設計による長期間の無人運用への適性が特長です。

本機は、長年にわたり高い信頼性を築いてきたTREL 18Jシリーズの最新モデルであり、2024年11月の発売以降、当社の多くの現場で活躍しています。

「TREL 18J-4K」は、当社が取り扱う自動撮影カメラの中では比較的導入しやすい価格帯に位置しながらも、夜間撮影モードの切り替え機能、256GBの大容量SDカード対応による長期運用適性、そして静止画45MP・動画4Kという高解像度記録能力を兼ね備えています。その実力を、実際の撮影映像を交えながらご紹介します。

この記事はこのような方におすすめです
  • 長期間の野生動物調査を、少ないメンテナンスで安定して行いたい方
     ➡ 256GB対応・省電力設計により、データ回収や電池交換の頻度を大幅に低減
  • 4K動画・45MP静止画など、高い記録品質を重視する調査担当者
     ➡ 生態の細かな特徴や動作を鮮明に記録できる画質性能
  • 夜間の記録で、カラー撮影とモノクロ撮影を使い分けたい方
     ➡ 白色LEDと赤外線ノーグローの切り替えにより、目的に合わせた夜間撮影
  • 警戒心の強い動物を自然な行動のまま記録したい研究者
     ➡ ノーグロー赤外線撮影は不可視光で刺激が少なく、自然な行動記録に適している

1. 「TREL 18J-4K」の特長まとめ|4K・夜間性能・長期稼働を支える設計

1-1. 特長①:長期運用を支える省電力設計と256GB対応の大容量ストレージ

長期間の無人運用が可能となり、データ回収やメンテナンスの手間を減らすことができます。

  • 256GB大容量対応: 大容量メモリーカードに対応することでデータ回収頻度を抑制し、長期間にわたる記録継続を実現します。特に動画モードでは、4K高解像度での連続撮影も安心して行えます。
  • 徹底した超低消費電力設計: 待機中の消費電力をマイクロアンペアレベルに抑えることで、内蔵電源のみでも十分な継続稼働能力を発揮します。
  • 電源の拡張性: 本体内蔵電池に加え、ACアダプターセットや6V乾電池ボックスなどの外部電源を併用可能です。併用する場合、「TREL 18J-4K」は内蔵電池よりも外部電源を優先して使用する設計です。
  • 耐候性: 野外での使用を前提とした設計になっていますが、基本的には防滴仕様です。そのため、一時的な雨や雪には対応可能ですが、大雨や多湿、水の影響を大きく受ける場所での使用は浸水の可能性があります。オプションの雨天ルーフセットなどを組み合わせることで、安定的な長期運用が可能です。

1-2. 特長②:白色LED(カラー)と赤外線ノーグローを選べる夜間撮影モード

夜間撮影では、白色LEDフラッシュを用いたカラー撮影と、赤外線ノーグローによるモノクロ撮影のどちらにも対応しており、用途に応じて切り替えられます。

白色LED撮影 / 可視光(カラー)

画像:夜間カラー撮影イメージ
画像:夜間カラー撮影イメージ
  • 白色LED光の到達範囲: 2個の白色LEDを搭載し、カメラから3〜5m先の比較的近距離の被写体撮影に適しています。近距離の被写体に対して「白飛び」が起こりにくく、自然な色合いで撮影できます。ただし、10m程度離れた場所では暗く感じられる場合があります。
  • 警戒心の有無: 白色LEDの発光は野生動物を警戒させる可能性があるため、動物記録が主目的の場合は、赤外線ノーグロー撮影がより適しています。弊社の経験では市街地の明かりに慣れたタヌキやアライグマの中には警戒心が低く、カラー撮影が可能なケースが多く見られます。
  • 防犯用途への効果: ライトの照射により、夜間の侵入者に対する防犯用途にも一定の効果が期待できます。しかし、自動撮影カメラの白色LEDは強力ではないため、より強力なLEDフラッシュや警報機能を求められる場合は、防犯カメラ専用機種の購入をお勧めします。

赤外線ノーグロー撮影 / 940nm(モノクロ)

画像:夜間モノクロ撮影イメージ
画像:夜間モノクロ撮影イメージ
  • 人や動物に気づかれにくい秘匿性の高い記録を実現します。赤外線によるモノクロ撮影は、辺りが暗くなると自動で切り替わり、高解像度(45MP/4K)で細部まで鮮明に記録します。
  • 警戒心の高い野生動物の生態観察や、長期的な継続監視に特に有効です。

1-3. 特長③:45MP静止画・4K動画の高画質記録と設置で押さえるべきポイント

白色LEDフラッシュ(カラー)と赤外線ノーグロー(モノクロ)のどちらの撮影モードでも、高画質で記録できます。

  • 高画質での記録: 静止画(最大45MP)、動画(4K)に対応し、野生動物の詳細な特徴や動きを鮮明に捉えることが可能です。白色LEDフラッシュを使用し夜間にカラー撮影する場合、静止画撮影は被写体ブレを防ぐため、動画と比べて暗く写る傾向があります。このため、夜間のカラー撮影には動画(4K)での撮影をおすすめします。
  • トリガースピード: トリガースピードは1秒未満と標準的なレベルです。移動速度の速い野生動物を真横から撮影する場合、カメラの前を通り過ぎた後にシャッターが切れる可能性があります(移動速度がとても速い動物はブレが生じる場合もあります)。対策として、林道などに設置する際は、野生動物が進入してくる方向(向かってくる方向、遠ざかる方向)に向けて設置するなど、設置角度の工夫が求められます。

2. 実地検証レポート:「TREL 18J-4K」の撮影条件と静止画・動画の実写結果

2-1. 実地試験の環境・設置条件・使用モードの詳細

「TREL 18J-4K」の各モードで撮影した静止画及び動画の事例をご紹介します。撮影場所はタヌキ、アナグマ、アライグマ、ハクビシン、アナグマなどが多く生息する神奈川県の里山です。

設置に際しては、直接的な降雨が避けられる林内の環境を選定し、かつ設置期間を通じて長期的に天候が安定していそうであったため、雨天ルーフ(雨避け)は使用せず、樹木に本体を直接縛り付けています。

項目内容
機種名TREL 18J-4K
試験地神奈川県の里山
設置期間2025年10月1日~2025年11月15日
(約1.5ヶ月間)
撮影モード静止画(赤外線/白色LED)
動画(赤外線/白色LED)

2-2. 白色LED(カラー)撮影の静止画・動画の実写レビュー

白色LEDによるカラー静止画の特徴と撮影結果

静止画撮影は、被写体がカメラの前を通過する際に、白色LEDライトを照射して撮影が行われる仕組みです。2個のLEDライトで被写体を照らし、自然な色合いで撮影できます。

ただし、ライトの光量は控えめであるため、2~5m先の被写体を照らすのに適した明るさとなっています。このため、遠方の被写体を撮影するには光量不足となる可能性はありますが、いわゆる「白飛び」しにくいカメラという実用上の大きなメリットがあると言えます。

カラー静止画(ネコ)
カラー静止画(タヌキ)

※画像をクリック(またはタップ)すると拡大表示できます。
※Web公開用にサイズ調整・圧縮(WebP 形式)を行っています。

[元データ情報]
・ファイル形式:JPEG
・解像度:7680 × 5760 px(45MP)
・ファイルサイズ:(上)約6.7MB / (下)約6.2MB

4Kカラー動画の明るさ・再現性・夜間性能レビュー

カラーの動画撮影モードでは、各フレームが静止画よりも明るく撮影されるため、本製品(TREL 18J-4K)の強みが最も発揮されます。特に4Kで撮影された映像は、そのなめらかで自然な表現に目を見張るものがあります。

動画サンプルは夜間の哺乳類ですが、日中においても同様に鮮明な動画を撮影することが可能です。LEDライトの電力消耗は少なく、またSDカードの保存容量が256GBという大容量にも対応しているため、容量を気にすることなく長期間の動画撮影を楽しめます。

動画:トレイルカメラ4Kモデル「TREL 18J-4K」夜間カラーでアライグマ・タヌキを撮影

2-3. 赤外線ノーグロー(モノクロ)撮影の静止画・動画レビュー

ノーグロー静止画の特徴と被写体ブレの少ない撮影結果

赤外線ノーグローの静止画撮影は、被写体がカメラの前を通過する際に赤外線LEDライトが照射され、撮影が行われる仕組みです。白色LEDライトと同様に、赤外線LEDライトも2個と比較的控えめな光量であるため、2~5m先の被写体を「白飛び」させることなく撮影するのに適しています。

また、被写体のブレが少ないのも特徴です。これは、シャッター速度と光量が絶妙なバランスで調整されていることによるものと考えられます。

モノクロ静止画(タヌキ)

※画像をクリック(またはタップ)すると拡大表示できます。
※Web公開用にサイズ調整・圧縮(WebP 形式)を行っています。

[元データ情報]
・ファイル形式:JPEG
・解像度:7680 × 5760 px(45MP)
・ファイルサイズ:約6.0MB

ノーグロー4K動画で記録した自然な野生動物の行動

赤外線ノーグローでの動画撮影は、静止画と同様に目に見える光を発しない(不可視光)ため、カラー撮影と異なり光による刺激や警戒を与えません。この特性から、イノシシやハクビシンなど、警戒心が比較的高い野生動物を長期的にモニタリングしたい場合に特に適しています。

さらに、過去に撮影機材の光で警戒してしまったアライグマなどの動物の調査において、警戒状態を解除し、より自然な行動を記録したい場合にも有効です。動画はモノクロになりますが、光を気にせず自然な状態の被写体を記録できるという点で、特に生態調査において大きなメリットがあります。

動画:トレイルカメラ4Kモデル「TREL 18J-4K」夜間モノクロでアライグマ・タヌキ・ハクビシンを撮影

3. 「TREL 18J-4K」が野生動物調査に適している理由と活用シーン

「TREL 18J-4K」は、導入しやすさと記録品質・運用の安定性を兼ね備えた、実用性の高いトレイルカメラです。とくに以下の課題やニーズをお持ちの専門家・ご担当者様におすすめします。

3-1. 長期・広範囲な野生動物のモニタリングを低コストで実現したい

【解決策】256GB対応と超低消費電力設計による運用負荷の軽減

データ回収や電池交換といったメンテナンスの手間を最小限に抑えたいお客様。数週間から数ヶ月にわたる無人での記録継続を可能にします。この安定性は、複数箇所へ広範囲にカメラを展開するプロジェクトにおいて、特に大きなメリットをもたらします。

3-2. 導入コストを抑えながらも、記録の「高画質」を必須とする

【解決策】4K動画/45MP静止画という高精細な記録能力

予算の制約がある中で、重要な瞬間を見逃さない高解像度記録を求めているお客様。本機は、野生動物の詳細な特徴や微細な動きを鮮明に捉える能力を備え、コストパフォーマンスの限界を追求します。

3-3. 夜間の記録において、目的別に最適な映像品質を確保したい

【解決策】白色LED(カラー)と赤外線ノーグロー(モノクロ)の柔軟な選択

野生動物の夜間行動観察などで、カラー撮影による鮮明な夜間映像というオプションを重視するお客様。あるいは、警戒心の高い動物や秘匿性の高い監視に最適な赤外線ノーグロー撮影。目的に応じた最適なモードへ柔軟に切り替えることで、監視の精度を高めます。

4. まとめ

以上の通り、「TREL 18J-4K」は、長期安定稼働、高解像度記録、そして運用コストの抑制という、現場が求める主要な機能を高いレベルで実現する実用的なトレイルカメラです。この実地試験レポートが、貴社・貴団体のフィールドワークにおける新たな選択肢として、本機をご検討いただく一助となれば幸いです。

「TREL 18J-4K」の仕様や価格、オプション構成については、商品ページで詳しくご覧いただけます。
フィールド調査や長期モニタリングに最適な本機の特長を、ぜひご確認ください。

TREL(トレル) 18J-4K トレイルカメラ(センサーカメラ)
TREL 18J-4K はこちら
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