AIによるトレイルカメラの野生動物識別【第5回】識別能力の検証
投稿日:2024年5月10日
運営会社:株式会社 地域環境計画
投稿日 : 2025年08月01日
広角撮影が可能なおすすめモデル、『WAMキャプチャー05』は、広角100°レンズと高速0.35秒トリガーを搭載したトレイルカメラです。広範囲を捉え、素早い動きを確実に記録することで、野生動物のモニタリングや調査を強力にサポートしてくれます。
さらに、設置場所の制限がある環境でも、広角レンズにより柔軟な撮影が可能です。
そのため、
など、幅広いシーンで活用できるため、実務レベルで重宝されるケースが増えているのではないでしょうか。
本記事では、そんなWAMキャプチャー05の特長や実際の活用シーンに焦点を当てながら、その魅力を掘り下げていきます。どのような場面で活躍しているのか、ぜひご確認ください。
目次
この章のポイント:広角100°+0.35秒トリガーで動物の出現から移動まで逃さず記録。
「決定的瞬間を確実に捉え、データ活用をサポート」
広角トレイルカメラの大きなメリットは、広範囲を一度に撮影できる点と、被写体の「撮り逃し」を防げる点にあります。WAMキャプチャー05は、その中でも特に広角性能に優れたモデルであり、野生動物の行動を確実に捉える性能が現場のプロたちからも高く評価されています。
本章では、広角撮影によって得られる記録の質やデータ活用への影響に加え、他機種と比較した際の違いにも注目しながら、詳しく解説していきます。導入を検討されている方にとって、選定のヒントになれば幸いです。
従来のトレイルカメラでは、狭い画角が原因で動物の「撮り逃し」が発生しがちでした。特に、監視対象が動きの速い哺乳類や警戒心の強い鳥類の場合、フレームアウトによる記録失敗が課題となっていました。
その点、WAMキャプチャー05は広角100°のレンズを搭載しており、より広い範囲を一度に監視できるのが特長です。つまり、動物の出現から移動までをしっかりと捉えることで、重要な瞬間を逃すリスクを大幅に軽減できるのです。
さらに、約0.35秒という高速トリガースピードを実現しており、動物が画角に入ってから撮影を開始するまでのタイムラグが短く、フレームに収める精度が格段に向上しています。これにより、素早く通過する野生動物の行動も確実に記録できます。
こうした性能を備えた広角トレイルカメラは、単なる記録用デバイスにとどまらず、フィールドにおける定点観測や長期監視にも適しています。
例えば、
などにおいて、大きな戦力となります。
その他にも研究用の野生動物観察や自治体による環境監視用途としても導入が進んでいます。
広角で撮影された動画は、動物の身体全体が画角(フレーム内)に収まっている時間が長くなるため、AIによる物体検知や識別の精度向上にもにも貢献します。その結果、収集した映像データの分析や活用が、よりスムーズに進められるようになるのです。
特に、自動分類や個体識別を行う野生動物調査の分野では、広角トレイルカメラによって得られる高精度なデータが、AIモデルの学習効果や識別精度を左右する重要な要素となっています。
このように、AI技術との組み合わせによって、トレイルカメラは従来の「観察」に加え、「分析」まで担うツールとして活用範囲が広がっています。こうした背景から、鳥獣被害対策や生物多様性モニタリングの現場でも導入が進んでいます。
以下の動画はWAMキャプチャー05と、他メーカーの画角50°のカメラを同じ場所に設置し、タヌキのため糞場を撮影したものです。いずれもフルHD(1920×1080)に設定しの動画解像度に設定し、比較条件を揃えています。
動画:WAMキャプチャー05|広角100°でタヌキの夜間行動を撮影【FHD・ため糞場】
動画:標準画角50°トレイルカメラでタヌキの夜間行動を撮影|ため糞場にて【FHD映像】
広角のWAMキャプチャー05では、タヌキがフレームの端から端まで広範囲に移動する様子をしっかりと捉えています。この映像を通じて、トレイルカメラの画角が野生動物の行動記録に与える影響が、視覚的に理解できるのではないでしょうか。
WAMキャプチャー05のような広角タイプでは、動物が画面内にとどまる時間が長くなりやすく、移動の軌跡や行動の前後関係を一続きの映像として捉えやすくなります。特に、出現位置と離脱方向を両方記録したい場合や、複数個体が同時に出入りするような場面では、画角の広さが観察効率や分析精度に直結します。
一方、画角の狭いカメラでは、被写体が途中で画面から外れやすく、断片的な記録になる可能性があります。
この章のポイント:広角レンズによる深い被写界深度で近〜中距離まで鮮明に撮影可能。
「深い被写界深度でピント合わせが容易に」
広角トレイルカメラの魅力は、広い画角にとどまりません。もう一つの大きな利点として、「ピントの合いやすさ」が挙げられます。
これは、被写界深度が深くなることで、比較的近い距離から中距離まで幅広い撮影距離に対応でき、モニタリングの自由度が高まります。
WAMキャプチャー05は、こうした特性を活かして、設置場所や対象に応じた柔軟な使い方が可能なカメラです。特に、野鳥や昆虫、植物など比較的小さく距離が近い被写体に対しても、鮮明に記録を残すことができます。
本章では、被写界深度の深さがもたらす撮影精度や記録の柔軟性について、具体的な活用シーンを交えてご紹介します。
焦点距離が短い広角レンズは、被写界深度が深いため、近くの被写体から遠くの被写体まで、比較的広い範囲でピントを合わせやすい特長があります。これは、野生動物の観察や記録において、トレイルカメラの設置距離や角度に柔軟性を持たせられるという点でも大きなメリットです。
設置後に対象との距離が多少変化しても、ピントが外れにくいため、記録の安定性が高くなります。これにより、さまざまな距離に現れる野生動物に対しても、ピントずれの心配が少なく、鮮明な画像を期待できます。
※WAMキャプチャー05は近距離撮影にも一定の対応力がありますが、数cm単位の至近距離を前提とした「接写専用モデル」ではありません。微細な被写体の撮影には別途マクロ機能を備えた機種の検討をおすすめします。
WAMキャプチャー05は、動植物の記録や環境調査といったフィールドワークの現場で、柔軟な設置と安定した撮影を実現します。
特に、野鳥や昆虫、希少植物など、小型かつ繊細な被写体を扱う場面では、対象との距離が近くなりやすく、カメラには高い対応力が求められます。その点、本機は広角でありながらもピントの合う範囲が広く、観察対象を捉えやすいため、設置条件に左右されにくく、短期〜長期の記録撮影にも適しています。
こうした用途において、WAMキャプチャー05は環境モニタリングや自然観察、環境保全調査など、専門性の高いフィールドでも信頼性のある機材として活用されています。
当社の東京オフィスに設置したバードバスのモニタリング撮影に利用している例をご紹介します。
哺乳類用のトレイルカメラはピントの合う位置が比較的遠い機種が多いですが、WAMキャプチャー05は被写界深度が深く、1m以内の物体にも明確にピントが合います。水しぶきを避けるため、カメラからバードバスまでの距離は約50cmに設定しています。
このように、限られた距離やスペースでの設置環境でも、比較的近い距離の被写体を高精細に撮影できるのが本機の強みです。特に野鳥のように素早く動く小型動物の水浴びシーンなど、タイミングと画質の両立が求められる記録用途にも適しています。
動画:【50cm距離で野鳥撮影】WAMキャプチャー05|バードバスでスズメとメジロの水浴び【トレイルカメラ映像】
この章のポイント:FHD動画+2400万画素静止画で調査・記録に必要な画質を安定確保。
「調査に十分なクオリティを提供する動画・静止画性能」
野外でのモニタリングや環境調査においては、対象の行動や特徴を的確に捉える画質が求められます。WAMキャプチャー05は、最高画質を誇るハイエンドモデルではないものの、必要な情報を過不足なく記録できる性能を備えており、調査や観察の目的をしっかりと果たします。
本章では、動画・静止画それぞれの画質面から、その実用性を解説します。
動画はフルHD(FHD)(1920×1080)記録に対応し、野生動物の動きや行動を滑らかでクリアな映像で捉えます。トレイルカメラに求められる映像精度として十分であり、フィールド調査や野生動物モニタリングの現場でも安定した記録が可能です。
日中の活動はもちろん、夜間の赤外線撮影でも、詳細な状況をしっかり把握できるクオリティです。特に夜間撮影時の赤外線映像は、鳥獣被害対策や外来生物の行動把握において有効で、WAMキャプチャー05も、トレイルカメラに求められる基本的な赤外線性能を備えており、暗所でも安定した記録が可能です。
記録の抜けが少ない点は、夜間の出現パターン把握や行動傾向の分析に役立ちます。
静止画は最大2400万画素に対応。最上位機種と比較すると画質では見劣りする点があるものの、動物の姿や環境の特徴を捉える上で十分な性能を発揮します。
野生動物の調査や鳥獣被害対策における画像記録では、対象の識別や行動パターンの把握に必要な画質が確保されており、幅広いフィールドで活用されています。そのため、個体識別や状況把握に必要な情報を確実に記録できます。
この章のポイント:防水IP66+日本語UIで初めての導入でも安心・スムーズに使える。
「充実した機能と導入のしやすさ」
WAMキャプチャー05は、屋外のある程度の自然環境下でも安定して使用可能な堅牢性と、初心者にも扱いやすいシンプルな操作性を兼ね備えた、実用的なトレイルカメラです。特別な技術知識がなくてもスムーズに導入できるため、初めて野生動物のモニタリングや鳥獣被害対策を行う方にも適しています。
本章では、防水・防塵性能、操作性、コスト面といった導入時に気になるポイントを整理してお伝えします。
WAMキャプチャー05は、優れた機能を備えながらも、導入しやすい魅力的な一台です。特に屋外設置が前提となるトレイルカメラでは、防塵・防水性能の高さが重要な選定ポイントになります。
粉塵の侵入を防ぎ、あらゆる方向からの強い噴流水にも耐えるIP66規格を取得。急な雨や風、土埃など、過酷な自然環境下でも安心して設置・使用できます。
この性能により、山林、農地、河川敷などさまざまな屋外環境における長期運用にも対応可能です。
カメラの設定や機能選択がすべて日本語で表示されるため、トレイルカメラを初めて使う方でも直感的に操作できます。これにより、スムーズな設置と運用が可能です。
ユーザーインターフェース(UI)もシンプルに設計されており、複雑な操作手順や専門用語に戸惑うことなく、感覚的に扱えるのが特長です。特に、野外設置時に手袋をしたままでもボタン操作がわかりやすく、設置作業や設定変更がストレスなく行える点も、現場作業者にとっては大きな利点となります。
WAMキャプチャー05は、性能と導入コストのバランスが非常に優れており、初めてトレイルカメラを導入する方から、複数台の導入を検討している方まで、幅広いユーザーにとって魅力的な選択肢になるでしょう。
画角やトリガースピード、防塵防水性能など、必要な基本機能をしっかり備えながら、導入コストとのバランスにも配慮された設計です。現場で求められる性能を過不足なくカバーし、価格に対する満足度が高い点が選ばれる理由の一つとなっています。
広角100°、高速トリガー0.35秒、比較的近い距離にも強い柔軟性――
WAMキャプチャー05は、鳥獣被害対策から環境調査、野生動物モニタリングまで幅広く対応できる、信頼性の高いトレイルカメラです。導入コストとのバランスにも優れており、はじめての導入から、複数台を運用する現場まで安心してお使いいただけます。
製品スペックや価格、対応オプションなどの詳細は、以下リンクからご覧いただけます。WAMキャプチャー05の導入をご検討の際は、今すぐ詳細をご確認ください。
この記事を書いた人
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