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ジビエ(野生鳥獣の肉)を安心安全に楽しむ

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こんにちは「鳥獣被害対策.com」の唐橋です。

今日の鳥獣害対策の知恵袋は、ジビエについてのお話しです。

ジビエについて

新しい年が明けたばかりですが、昨年末のこと、忘年会の焼き肉で食べすぎたのか…翌日にお腹を壊しました。

その時ふと、最近は「ジビエ(野生鳥獣の肉)」という言葉もよく聞かれるようになったけれど、食べる時に気を付けることはあるのだろうかと思い、調べることにしました。

最近人気のジビエですが、イノシシ肉は、

  • 疲労回復に効果的なビタミンB群
  • 血液をサラサラにする効果のある多価不飽和酸

が多く含まれています。

シカ肉は、

  • 低カロリー
  • 高タンパク
  • 鉄分が豊富

で、アレルギー疾患の原因となるアレルゲン含有量が低いとされています。

高タンパク、低脂肪な健康食材なのですね。

また、農林業に被害を及ぼす野生動物を地域資源として活用する取組みが全国各地で始まっています。

私も道の駅や地域の物産館などで、ジビエを使ったご当地グルメに出会うことが多くなりました。

イノシシ肉です。

ジビエも下処理がきちんとされていれば「獣臭さ」も気にならないんですよ

ですが、一方で安全面に不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

以下に、ジビエを安心して食べるために注意することをご説明します。

ずばり、【とにかく、しっかり火を通すこと!!】

基本的に生で食べず、中心までしっかり火を通すことが何よりも大切です。

生や加熱不十分なものを食べると感染症に感染する可能性があります。

加熱不十分な野生動物の肉を食べた場合に感染する可能性のある感染症には次の例があります。

感染症の例

E型肝炎

E型肝炎ウイルスにより引き起こされる急性肝炎で、症状が出ないことも多くありますが、稀に劇症化する場合もあります。

特に、妊婦や高齢者では危険性が増すので、生で食べることは避けてください。

腸管出血性大腸菌症

国内ではシカ肉による感染が確認されています。

病原性大腸菌により

  • 腹痛
  • 下痢
  • 鮮血便

などの症状が現れます。

その他、寄生虫

トリヒナ症、ウェステルマン肺吸虫などへの感染が知られています。

このように書いてしまうと、ジビエがとても危険なもののように思われるかもしれません。

しかし、大切なのは【とにかく、しっかり火を通すこと!!】です。

これは通常私たちが食べている牛肉や豚肉など家畜の肉に対しても言えることです。

これらの感染症は家畜に共通するものも多くあります。

そう考えると、ジビエだから、と特別扱いする必要はないのです。

ジビエは、と畜場法の対象ではありません。

しかし、食肉として販売する場合は食品衛生法の対象となりますので、一定の衛生基準を満たした施・工程で処理がされています。

また、全国の自治体が独自に衛生管理に関するガイドラインを策定し、安全にジビエが供給できる体制が徐々に広がりつつあります。

ジビエだからと過剰に心配せずに、普段食べている豚肉などと同じようにきちんと火を通せば、安全に食べることができますので、みなさんぜひ試してみてください。

シカ肉のバーベキューです。

日本の豊かな自然の恵みとして、よりジビエが身近なものになるといいと思います。

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