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箱罠用の仕掛け「アニマルセンサー」をIWMC2015で紹介しました

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こんにちは「鳥獣被害対策.com」の井上です。

今回は、7月に札幌で開催された「IWMC2015(第5回国際野生動物管理学術会議)」に参加&企業ブース出展をしたときのお話です

「IWMC2015(第5回国際野生動物管理学術会議)」参加&企業ブース出展

IWMC2015は、「国際的に多様な文化と会社に一致した野生動物管理のモデル構築」をメインテーマに、

  • 被害管理
  • 希少種保全
  • 野生動物管理の専門家育成

などを主要課題として、研究発表と討議が行われました。

ちなみに、アジアでは初開催だそうです

参加者は、

  • 日本を
  • アメリカ
  • ロシア
  • フランス
  • マレーシア
  • 中国
  • 台湾
  • 韓国

など、47カ国から870名の専門家(事前登録)のほか、50社を超える企業出展などで、総勢12,000名を超える見込みだとのことでした。

また、西伊豆で起きた電気柵事故直後の会議ということもあって、急遽、予定にはなかった日本電気柵協議会の臨時会議もありました。

ちなみに、鳥獣被害対策.comを運営する(株)地域環境計画も2名が研究成果を発表、1名がポスター展示を行いました(発表テーマは文末に記載します)。

私たち『鳥獣被害対策.com』も企業ブースの出展を行いました。

下の写真は、「アニマルセンサー2」という、獣に見えない赤外線(熱感知)センサーを活用した箱罠用の仕掛けです。

ちなみに、本来はイノシシ捕獲用なので大きな箱罠を使用しないといけないのですが、今回は小さなレプリカでの対応です。

アニマルセンサー2(箱罠上部の白い箱)は、熱で獣を感知し、距離センサーで狙った大きさの獣を捕獲するという優れモノで、あらかじめセットした大きさ(高さ)以上の獲物が入ると、自動でシャッターが落ちる仕組みとなっています。

「仕組みの詳細は以下をみてください」

狙ったサイズの獣を捕獲する「アニマルセンサー2

ロシアやフィリピンの研究者をはじめ、多くの方々に興味を持っていただけました!

「どんな方々が参加しているのだろう?」

また今回の会議は、「どんな方々が参加しているのだろう?」と思い、アンケート調査を実施しました。

アンケートは、『鳥獣被害対策.com』出展ブースに来訪いただいた方に協力していただいたので、参加者全体のデータではありませんが、集計の結果は以下のようになりました。

配布書類や発表など、すべては英語なので、英語が苦手な私は苦労しました…

Q1:「出身国はどこですか」

  • 最も多かったのは、やはり日本でしたが、全体の半数以下でした。
  • 他国としては、マレーシアやアメリカ、台湾、ロシアなど、各国からの参加があり、ウガンダやマラウイといったアフリカからの参加もみられました。
  • 【その他の国々】イギリス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、ポーランド、フィリピン、中国、インド、スリランカ、ミャンマー、モンゴル、シンガポール、イラン、キューバ、ブラジル、ウガンダ、マラウイ

Q2:「所属をお聞かせください(日本のみ)」

  • 学者・研究者(学生を含む)が最も多く、次いでコンサルタントと、専門性の高い分野に所属される方々で約60%を占めていました。
  • また、高校生も多く参加しており、今回の会議の感心の高さをうかがうことができます。

Q3:「関心のある動物は何ですか?(国外のみ)」

  • イノシシをはじめ、シカやサル、クマといった生きものに関心があるのは、日本だけではなく、各国共通のようです。どこの国も、これらの獣たちの被害が大きいのでしょうか。
  • ゾウやオラウータン、トラなどの保護が必要な生きものについても、多くの関心が寄せらせていました。当然ながら、トラなどは人身被害もあるようで…。
  • このうち、ゾウについては、近年の生息地の減少から、餌欲しさに農地を荒らしたりといった事件が多くなっているようで、必ずしも保護という言葉だけでは済まされない、複雑な状況になっているようです。
  • このほか、トラ、ヒョウ、スカンク、ナマケモノ…世界各国の悩みは尽きないようです…。
  • ちなみに、イギリスではアナグマの被害が深刻化しているようで、とても興味深い話をたくさん聞くことができました。

Q4:「鳥獣被害対策ドットコムを知っていますか?」

また、ちゃっかりと「鳥獣被害対策ドットコムを知っていますか?」という質問もしてみました。

その結果、なんと!50%以上の方が、鳥獣被害対策.comの存在を知っている、とお答えいただき、さらに7%の方が利用していただいたことがわかりました!(知り合いの方も訪れてくれたので、その効果かも…と少し思いつつ…)

アンケートにご協力して下さった方々には、ささやかなお礼として、『鳥獣被害対策.com特製缶バッチ』を贈呈させていただきました。

↑缶バッチデザインです。

右のイノシシバッチを見つけたポーランドの女性が大はしゃぎしていました。

ご協力いただいた方々へアンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。

とても良いデータ集計をすることができました。

改めてお礼を申し上げます。

(株)地域環境計画の発表内容

研究成果発表

・小野 晋(わな猟 狩猟免状)
「Density Estimation of Japanese Black Bear Using Camera-Trap in Fukushima Prefecture」
(福島県におけるカメラトラップによるツキノワグマの密度推定)

・園田 陽一(農学博士)
「The Effectiveness of Mitigation Measures for Reducing Wildlife Vehicle Collisions and Providing Connectivity」
(野生動物の交通事故防止及び連結性確保のためのミティゲーション手法の効果)

ポスター発表

・千々岩 哲(第一種銃猟、わな猟 狩猟免状)
「Effects of Wild Boar Digging on Wetland Ecosystem in Nakaikemi, Fukui,Japan」
(福井県中池見湿地における、イノシシの掘り起しが湿地生態系にもたらす効果)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★アニマルセンサー2はコチラから⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/others
★イノシシ捕獲用箱わなはコチラから⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/boar-boxtrap-big

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この記事を書いた人

井上 剛

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