野生動物の専門家によるイノシシ対策のためのブログ。イノシシの防除から捕獲、止め刺し、解体まで、イノシシ被害を防ぐために役立つ情報を発信しています。

ご相談・お問い合わせ

柵の補修・補強には、獣害柵補強用資材「モグレーヌ」がおすすめ!

記事のタイトルとURLをコピーする

こんにちは「鳥獣被害対策ドットコム」の井上です。

先日、ワイヤーメッシュ柵を設置したミカン農園にイノシシが入り込んだ、との連絡を受け、点検・補修に行ってきました。

ミカン農園は、相模湾に面した日当たり良好な斜面です。

ミカン農園付近の景観
画像:ミカン農園付近の景観

ミカン農園のワイヤーメッシュ柵施工現場の様子

ミカン農園を囲うワイヤーメッシュ柵は、隙間なく、本当に丁寧に施工されていました。

ワイヤーメッシュ柵傾斜地設置の様子
画像:ワイヤーメッシュ柵傾斜地設置の様子
石積部分の様子
画像:石積部分の様子
石積部分の施工の様子
画像:石積部分の施工の様子

なだらかな傾斜地はもちろん、所々にみられる石積の部分も隙間ができないように、しっかりと施工されています。

岩などが露出しているところは、ワイヤーメッシュを切断加工して、地形にぴったりと合わせています。

地形に合わせて柵を加工
画像:地形に合わせて柵を加工

イノシシに潜り込まれた形跡

これだけしっかりと囲えば、イノシシも侵入をあきらめるだろう…と思っていたのですが…。

やはり、イノシシはウイークポイントを突いていました。

具体的には、傾斜地の下端の部分です。
これが実際に潜り込まれたミカン農園斜面下部の状況です。

イノシシが侵入した形跡
画像:イノシシが侵入した形跡

写真左側の藪からイノシシが侵入していました。

写真ではわかりづらいので、イメージ図を作成してみました。

こんな感じです(↓)。

イノシシの潜り込みによる侵入イメージ
画像:イノシシの潜り込みによる侵入イメージ

ワイヤーメッシュの裾部は、斜面の下部から掘り返されてしまうと、どうしても潜り込まれやすくなってしまいます。

点検の結果、潜り込み跡、また潜り込まれそうな場所は、ミカン農園の斜面下部に集中しており、その他の場所ではほとんど確認されませんでした。

柵の補修・補強用資材「モグレーヌ」

ワイヤーメッシュ柵の状況を一通りチェックした後は、補修作業です。

今回は、イノシシなどの潜り込みを防ぐ、金属柵の補強用資材として開発された「モグレーヌ」(↓)を使用して補強を行いました。

モグレーヌのサイズ
画像:モグレーヌのサイズ

獣害柵補強用資材「モグレーヌ」

モグレーヌは、害獣の潜り込みを防ぐために開発された金属柵の補強用資材です。

本体パネルと返し付きアンカーが一体化しているので、従来の補強材と比べて施工が非常に簡単です。

また、既存フェンスと結束することで、害獣や地盤の押し上げによるアンカー抜けを効果的に防止します。

パネルの本体は、高さ300mm×幅900mm、網目はウリ坊対策として縦目を細くしており、75mm×150mmです。
線径は4.0mmで、素材は亜鉛メッキ鉄線3種鍍金となります。

また、本体パネルと一体溶接したアンカーは、異形丸棒D10で、長さは495mmとなります。

モグレーヌの特徴でもあるアンカー端部には返しがついています。

1枚あたりの重量は0.86kgと軽量です。

モグレーヌ規格詳細
画像:モグレーヌ規格詳細
アンカー端部の「返し」
画像:アンカー端部の「返し」

モグレーヌを使用した補強・補修作業

それでは、さっそく補修作業です。

猪の潜り込みが懸念される場所
画像:猪の潜り込みが懸念される場所

イノシシの潜り込みが懸念される場所に対して、モグレーヌを当てて、ハンマーで地面に打っていきます。

モグレーヌを打ったら、既存のワイヤーメッシュとモグレーヌを結束線(けっそくせん)で固定していきます。

結束線はハッカーという工具を使って固定していきます。

ハッカー
画像:ハッカー

通常、結束線は#18(Φ1.1~1.2㎜)、長さ350㎜のものを使用しますが、細いものや強度が必要である場合には2本を束ねて使用します。

ハッカーは、慣れるのに少しコツが必要ですが、それほど難しいものではないので、少し練習知れば、すぐにマスターできると思います。

動画:ハッカーの使い方

ちなみに、結束線、ハッカーともに、ホームセンターなどの資材売場で販売しています。

これ(↓)が、モグレーヌで補強した状態です。

モグレーヌで補強した様子
画像:モグレーヌで補強した様子

モグレーヌ設置後は、穴の中央部には、「返し」付きのアンカーがしっかりと打ち込まれ、既存ワイヤーメッシュとの接触部は、結束線でしっかりと固定されています。

また、穴が大きかったり、深かったりする場合は、1枚で塞ごうとせずに、複数枚を使用します。

深い穴
画像:深い穴
モグレーヌを重ねて設置
画像:モグレーヌを重ねて設置

斜めに2箇所、モグレーヌを設置しています。

さらに、複雑な地形の場合は、モグレーヌを加工して使用することも有効です。

例えば、このような地形であった場合、

モグレーヌ設置前の穴のイメージ
画像:モグレーヌ設置前の穴のイメージ

モグレーヌを穴の形に加工して、穴をふさぎます。

穴に対するモグレーヌの加工イメージ
画像:穴に対するモグレーヌの加工イメージ

こんな感じに加工する。

モグレーヌで穴を塞いだイメージ
画像:モグレーヌで穴を塞いだイメージ

ぴったりと塞ぐことができます。

こんな感じで、複数の危険個所を補強しました。

斜面下部はスカートパネルを併用して柵の補強を

ただし、斜面下部は掘り込まれやすい場所となります。

スカートパネル(ネット)を設置するなどの対策を合わせて実施することが望ましと考えられます。

スカートパネル設置イメージ
画像:スカートパネル設置イメージ

ワイヤーメッシュ柵・金属柵は、イノシシなどの侵入を物理的に防ぐ有効な対策方法です。

しかし、定期的な点検はしっかりと行い、危険個所を発見した場合は、こまめな補修・補強を行ってくださいね。

獣害柵補強用資材「モグレーヌ」商品ページはコチラ

  • この記事を今すぐシェアする
  • facebookアイコン
  • Xアイコン

この記事を書いた人

井上 剛

鳥獣被害対策 お役立ち情報

被害を防ぐために知っておきたい情報を公開中!

▼その他の獣害でお悩みの方はこちら

トップへ戻る

先頭へ