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【イノシシ対策用】箱罠WB1800(片開)へのアニマルセンサーの取り付け~栄工業訪問記

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こんにちは「鳥獣被害対策.com」の宮畑です。

今日の鳥獣害対策の知恵袋は、
箱罠や足くくり罠の
製造メーカーである栄工業さんを
訪問してきたお話です。

訪問の目的は、箱罠と足くくり罠の
開発について打合せすることです。

また、イノシシ捕獲用の
箱罠WB1800(片開)への
アニマルセンサーの取り付けテスト
することも、もう一つの目的でした。

栄工業さんの製造する
イノシシ用の大型箱罠や
アライグマなどの中型獣箱罠、
ネズミ用の小型箱罠は
すべて自社で製造しており、
造りの良さと充実した
アフターケアが売りです。

踏板式の箱罠や跳ね上げ式の
足くくり罠等の開発についての
打合せを済ませた後、イノシシ
捕獲用の箱罠WB1800(片開)
へのアニマルセンサーの
取り付けテストをしました。

箱罠WB1800(片開)は
軽トラックの荷台にすっぽり
収まるサイズであること、
67kgと比較的軽量なため
組立て後も大人二人で持ち運びが
できることが特徴です。


箱罠WB1800(片開)

箱罠WB1800(片開)の通常の
トリガー形状は蹴り糸タイプです。

箱罠の中に通した蹴り糸を
天井板に取り付けてある
作動版に結びつけます。

作動版の先端に取り付けてある
L字金具に落とし扉(シャッター)
を釣り上げているワイヤーが
結びつけられています。

蹴り糸にイノシシが触れることで、
作動版が動いてL字金具が押され、
L字金具をひっかけている突起から外れて、
落とし扉が閉まる仕掛けです。

事前に倉庫内で組み立てておいた
箱罠を使わせていただき、
さっそく取り付け開始です。

栄工業のスタッフさん達も
興味津々で集まってきました。
左端が山村社長です。

アニマルセンサーは作動版の
隣に設置しました。

今回は動作確認のため、
アニマルセンサーの台座(角材)と
箱罠天井の線材を
スズランテープで結び
仮止めしています。

実際に野外で捕獲のために
設置する場合は、結束バンド等で
しっかり固定してください。

アニマルセンサーから出ている
紐を木片の端部に結びつけます。
この紐はアニマルセンサーに
内蔵されているモーターに
接続されています。

木片の両端は、
箱罠の線材に引っ掛けます。

落とし扉に結びつけた紐を
細い棒の中央あたりに結びつけます。

この棒の両端を箱罠の線材と
アニマルセンサーに接続した
木片に下側からひっかけます。

これだけで、セットは完了です。

アニマルセンサーが
イノシシ等の獣を感知すると、
モーターが作動して
紐を巻き取ります。

紐が巻き採られることで
センサーに接続している
木片が手前にずれます。

木片がずれることで、
落とし扉を釣り上げている
棒が外れて扉が落ちます。

落とし扉を釣り上げる構造は、
箱罠の種類ごとにいろいろ
ありますが、ほぼ上記のような
仕掛けで対応可能です。

落とし扉を支えている紐と
棒の接続は以下の写真のように
紐で輪をつくって仕掛け棒に
引っ掛けるだけでもOKです。

セットが完了したところで、
実際の動作確認です。

アニマルセンサーは赤外線の
温度センサーで動物を感知し、
さらに距離センサーで
動物の背丈を感知します。

設定した背丈以上の動物であれば
モーターが作動し扉が閉まります。

今回は大物のイノシシの想定で
箱罠の底からおおよそ70cm以上で
作動するように設定しました。

※アニマルセンサーはおおよそ
10cm刻みで距離を設定できます。

ただし、距離の設定はセンサー下部
からの距離設定となっているため、
例えばアニマルセンサーを取り付けた
高さが地上から120cmだとすると、
メモリを50cmにセットします。
これで、120cm-50cm=70cmの
背丈以上の大きさの獣を感知し
作動することになります。

アニマルセンサーページはこちら⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/others/is0001

では、いよいよ動作確認です。
栄工業のスタッフさんが
イノシシになり切って
演じてくれました。

皆さん動作の的確さに大盛り上がりです。
その他の栄工業さんの箱罠
(箱罠1号、箱罠2号、箱罠3号等)
への取り付け方法などで話が弾みます。

その後、中庭に出て足くくり罠の
動作確認等をしました。

栄工業さんは製品をすぐに
動作確認できる恵まれた
環境にあります。

スタッフさんは若い方が多く、
特に女性スタッフさんが元気な
会社で、皆さん和気あいあいと
仕事をされているようです。

国産罠のメーカーとして
これからも頑張ってほしい会社さんです。


おそろいのTシャツで

※アニマルセンサーは国の獣害対策交付金
「ICT等を用いた新技術の実証」の対象製品です。
箱罠や柵等と合わせて購入することで助成金が出ます。
詳しくはお気軽にお問い合わせください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★イノシシ、シカ用大型箱罠⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/boxtrap-big
★アライグマなどの中型獣用箱罠⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/boxtrap-small
★ネズミ用の小型箱罠⇒
https://www.choujuhigai.com/fs/chiikan/c/mole-boxtrap-small

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この記事を書いた人

宮畑 貴之

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