こんにちは「鳥獣被害対策.com」の逸見です。
前回の「アライグマが増え続ける理由とは?」の
続き、アライグマの防除計画についてお話します。
神奈川県は、平成18年度から22年までアライグマの
防除に努め、被害額は平成18年度をピークに
減少傾向にありました。
三浦半島などの高密度地域の一部で生息密度の低下が
見られましたが、県西部に向ってアライライグマの
分布の拡大が起きています。
捕獲は、被害や目撃情報が多い、
つまり個体密度が高い場所で行われ、
その地域では被害や個体密度がある程度減少したものの、
結局、生息していても被害報告がない地域では
分布拡大の防止が出来ず、
全県的な個体数の減少は図れませんでした。
県は、平成23 年度から28 年度の5年間を
「第2次神奈川県アライグマ防除実施計画」の期間とし、
目標を「生息分布域の縮小」と「個体数の減少」として、
効果的な防除を実施するとしています。
その計画の勘所は以下のとおりです。
・多い少ないに関わらず、生息情報のあるすべての市町村が、
捕獲体制と監視体制を整備します。
・県内を約1km四方(3次メッシュ)で区切り、
生息情報のあるメッシュとそれに接するメッシュを
「生息メッシュ」とします。
・「生息メッシュ」については個体数減少を目標として
捕獲を行います。
・「生息メッシュ」の捕獲目標数は、毎年度の
モニタリング結果に基づき県が示す「必要捕獲努力量」とし、
計画的に捕獲を実施します。
※モニタリング結果をもとに学識者や専門家が推計するようです。
・「生息未確認メッシュ」については非分布状態の
継続を目標として監視に努め、もし、生息が確認
された場合は捕獲に努め、地域への定着を防止します。
・上記の市町村の取り組みの他、県は、重要な地域で
重要な動植物をアライグマの捕食等から保護するため
に、保護策を検討し、計画的な捕獲等に取り組みます。
・県は、本計画の実施に伴い捕獲効率が限りなく「0」
に近づき、生息密度が低下したと考えられる地域等に
おいて、根絶を目指すためのモデル的な取組を検討します。
私は、この計画は、市町村がしっかり防除体制を
構築出来れば、かなり実行性の高いものと思います。
広域で計画的に質の高い捕獲(取れる場所に罠をかける)
を行えば個体密度を減少させ、分布拡大を阻止できる
可能性は高いと思います。
しかし、私たちの会社でもアライグマの生息分布の
実態把握の調査・捕獲を実施した経験がありますが、
生息密度の低いところでは、目撃情報も少なく、
罠を設置してもなかなか捕獲出来ず、
ひたすら捕れるまで耐える作業となります。
この生息密度が低下した場合の防除は、
極めて厳しいもので、県の市町村に対する支援が
必要になると思います。
この点については、県は根絶を目指すための
モデル的な取組を検討するということになっており、
具体的な戦略の検討はこれからのようです。
さて、いつもまでも個体数を減らすことが出来ず
防除を続けるならば、捕殺されるアライグマの
個体数は無限に増え続けます。
一方、このような防除計画が成功して地域から
根絶することが出来れば、捕殺されるアライグマの
個体数は最小になるでしょう。
私たち人類は、自分たちの犯した罪の決着を
どのように付けるべきなのか、
このような外来生物とどのように向き合うべきか、
多くの地域がその岐路に立たされています。
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