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網・罠免許取得可能年齢の引き下げ!日本初の高校生猟師誕生なるか!?

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こんにちは「鳥獣被害対策.com」の久野です。

今日の鳥獣害対策の知恵袋は、鳥獣保護法改正による、網・わな免許の取得可能年齢の引き下げについてのお話です。

網・わな免許の取得可能年齢の引き下げについて

先月、5月29日より、改正鳥獣保護法(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律)が施行されました。

この度の改正では、野生鳥獣による農林水産業被害の深刻化を背景に、従来の「保護」に加え、新たに「管理」が定義され、法のなかに盛り込まれました。

法律名も、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」から、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に変更となっています。

そして、改正鳥獣保護法において、鳥獣についての「管理」は、以下のように定義されました。

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「管理」とは、生物の多様性の確保、生活環境の保全又は農林水産業の健全な発展を図る観点から、その生息数を適正な水準に減少させ、又はその生息地を適正な範囲に縮小させることをいうものとすること
引用元:鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 要綱
——————————–

この法律における「管理」は、一般的な定義と若干異なり、

  • 「減少させること」
  • 「縮小させること」

が盛り込まれています。

したがって、鳥獣保護法が関連する事柄については、「管理」という語句の使い方に気をつける必要
がありそうです。

また、管理によって鳥獣の被害を低減するべく、この度の法改正では、様々な規制の緩和や新制度の導入が決定しました。

すべてをご説明したいところですが、今回はそのなかのひとつ、「網・わな免許の取得可能年齢の引き下げ」に注目してみましょう。

この度の改正により、網・わな猟免許の取得可能年齢の下限は、満20歳から満18歳へと変更になりました。

※第一種・二種銃猟免許は20歳のままです。

それでは、免許取得可能年齢が18歳まで引き下げられると、どういったことが起こるか考えてみましょう。

その1 大学における野生動物管理教育の充実

大学によっては、狩猟による野生動物管理を学ぶ研究室や、「狩り部」などの部活動がありますが、これまでは、高校からそのまま進学した場合、早くとも大学2年生からしか狩猟免許を取得できませんでした。

しかし、法改正により、大学1年生でも取得できるようになったことで、今後は捕獲を含めた野生動物管理の専門知識を、これまでより早い段階で学ぶことができるようになるかもしれません。

その2 『高校生猟師』誕生の可能性

満18歳に達していれば、網・わな免許の取得が可能になったことにより、法律上、高校3年生でも網・わな免許を取得できるようになりました。

自治体によって異なりますが、網・わな免許試験は春から冬までに3~4回行われるので、春~夏生まれであれば、秋の猟期までに狩猟免許取得と狩猟者登録を終え、高校在学中に狩猟をすることも夢ではありません。

もし今後、高校生猟師が誕生すれば、その話題性から、世間の注目が集まり、狩猟業界はより活性化するのではないか!と予想されます。

果たして、狩猟免許取得可能年齢の引き下げは、狩猟者の高齢化を防ぐ歯止めとなるでしょうか。

今後も注目していきましょう!

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この記事を書いた人

井上 剛

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