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アナグマを罠で捕獲 ~餌は?箱わなの強度は?ムジナ汁の味は?~

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こんにちは「鳥獣被害対策.com」の宮畑です。

今日の鳥獣害対策の知恵袋は、踏み板式箱わなでアナグマを捕獲したお話です。

アナグマの好物と被害にあいやすい農作物

アナグマは、本州以南の人里から山地までの森林地帯に広く分布しています。
寒冷な地域では冬眠しますが、温暖な地域では冬も活動しています。

関東の人里に近い地域では、冬でも活動しているようです。
食性は

  • ミミズや甲虫の幼虫といった土壌動物
  • カエルなどの動物質のもの
  • 果実、木の根などの植物質のもの

まで食べる雑食性です。

農作物では

  • トウモロコシ
  • スイカ
  • イチゴ
  • ブドウ
  • トマト

などが被害にあいます。

アナグマとタヌキとムジナ

昔から肉のおいしさには定評があり、アナグマ料理の代名詞ともなっている『ムジナ汁』は聞いたことがある人も多いかと思います。

ちなみに、タヌキ、アナグマの両方をひっくるめて『ムジナ』と呼ぶ地方もあるようですが、主にはアナグマのことを指します。

ムジナ汁
画像:ムジナ汁

アナグマを箱わなで捕獲

昨年の狩猟シーズンに、アナグマ狙いで、群馬県の人里に近い場所で箱わなをしかけまし
た。

箱わなの種類と強度

使用した箱わなは、折り畳み式のアニマルトラップModel1089です。
力の強いアナグマ対策のため、パワーフレームを取り付けました。

アニマルトラップ Model1089パワーフレーム付き

折り畳み式の箱わなでは、アナグマや大型のアライグマなど力の強い個体が捕獲されたときに、特にシャッター部分と本体の間を押し広げて逃げられる場合があります。
パワーフレームを取り付けることで逃亡を防ぐことができます。

箱わなの設置場所

今回、箱わなを設置した場所は、林道沿いの施設の脇です。
このあたりは、よくアナグマが目撃されたり、足跡を見かけた場所です。
施設のフェンスに沿うように設置し、扉の反対側に自動撮影カメラを設置しました。

捕獲用の餌

エサは、ゆでたピーナッツを用いました。
薄くしょうゆ味がついた商品を売っていたため、それをそのまま使いました。
エサは箱わなの周辺に点々とまき、入り口、箱わなの中ほどに少し多めに、一番奥にはさらに多めにエサを置きました。

捕獲までの様子をトレイルカメラで観察

箱わな設置から3日目にアナグマが現れました。
かなり大型の個体です。

動画:踏み板式箱わなでアナグマ捕獲_その1

箱わなの周りにまいたピーナッツを見つけ食べています。
あらかた箱わなの周りにまいたエサを食べつくすと箱わなの入り口のエサ、中ほどのエサと次々に食べていきます。

動画:踏み板式箱わなでアナグマ捕獲_その2

最後に箱わなの一番奥にまいたえさを食べています。
うまい具合に踏み板に体重が乗った瞬間にトリガーが外れて扉が閉まり、捕獲成功です。

動画:踏み板式箱わなでアナグマ捕獲_その3

アニマルトラップModel1089は、高さ31.5cm、幅26.5cm、奥行き81.5cmあるのですが、獲れたアナグマは、箱わなが小さく感じるほど大型の雄個体でした。
ちなみに、血抜きして内臓を取り除いた状態で11.5kgありました。

箱罠で捕獲したアナグマ
画像:箱罠で捕獲したアナグマ

アナグマの止め刺しと解体

止め刺し後は、速やかに血抜きし、内臓を取り除いて氷で冷やして持ち帰って捌きました。
脂がのりまくっていて、赤身より脂のほうが多いくらいです。

脂が乗ったアナグマの肉
画像:脂が乗ったアナグマの肉

大型のアナグマをムジナ汁に

早速ムジナ汁にしたのですが・・・・肉を噛むたびに嫌なにおいが口中に広がります。
肉全体に染みついているようで、汁にも匂いがついています。

実は捌いている最中にも、ちょっと鼻につく匂いが気になっていて嫌な予感はしていたのですが・・・。
使った肉の部位だけに匂いがついているのかと、いろんな部位の赤身や脂身を少しずつ焼いて試食してみたのですが、ことごとく匂いが染みついていました。
残念ながら、肉全体に匂いが染みついてしまっているようです。

どこかで味わったことのある匂いなので、記憶をたどってみたところ、カルガモの尾脂線の脂の匂いに近いものでした。
それをもっと少し強くしたような感じです。

血抜きから解体、精肉までかなり気を使って処理したので、その過程で匂いがついたとも思えません。
ショウガを使ったり、牛乳に付け込んでみたりと、いろいろ試したのですが、匂いが気にならないレベルまで消し去ることはできませんでした。

元来は、おいしいはずのアナグマですが、あまり大型の雄個体は、食には向かなそうです。

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トレイルカメラの選び方 完全ガイド
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この記事を書いた人

宮畑 貴之

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